異世界は無法地帯!!??? 〜前世からの夢だったちょいワルになろうと思います〜

@syousetuomoro

最悪の王国(プロローグ)

「え、」


ひらりと1枚の号外が滑り落ちる

いつの間にかうざったいほどに照っていた太陽は

分厚い雲に覆われ1粒、、また1粒と雨をこぼしていた。


これが、新しい世界の幕開けに喜んだ嬉し涙なのか。

はたまた悲しむ涙なのかは誰にも分からなかった。



空いた口が塞がらない。

かん、、、らく??西のルシフ家が陥落した?


理解が追いつかなかった。いくらタチの悪い夢でもこんなことはありえない。あのルシフ家だぞ。

王国建国以来、魔族から国を守り抜いている。

1太刀で山ですら無に帰す。どこの国だろうと戦争に参戦を

表明した時点で降伏させる。


あの、、、ルシフ家がッッ??


「ハハッ疲れてるんだな。。。今日は早く寝よう。」


もう既に時の歯車はがっちりとはまりこんでいた。

いくら寝て忘れようと変わらぬ残酷な事実に。。。。。







〜10年後〜


『騎士団に入れるぞッ!』


みんな知っている禁句であり最強の戒めの言葉である。

子を持つ親なら一度は言ったことがあるだろう。

そう呟けば

あっという間に子供は静かになるのだから。


何も騎士団自体が怖いわけではない。

年々減り続ける志願者に国王ですら頭を抱え。

志願者には報奨金が設けられるほどだ。


では、なぜ、みなから忌み嫌われるのだろう


理由は至極簡単でひとつのみ








殉職率があまりにも高い


騎士団に入りさえすれば必ずと言っていいほどに幹部クラスになれる。 と、いえばわかるだろうか?


入って1年も経つものは国王から栄誉賞の授与すらあるほどだ。


そしてこの殉職率の高さにはひとつの組織が関係している。



《ヘル》


彼等の残虐すぎる行動からつけられた。いわば渾名だ。


ヘルが歴史の表舞台に踊り出したのは10年前

王国最強の名を冠するルシフ家が襲撃され陥落された時だ、


それからたった1年で

最高の世代と呼び声高い騎士団を壊滅させ王国中を

恐怖で染め上げた。



首都爆破に国王家惨殺、奴隷誘拐、騎士団の壊滅、、、

上げだしたらキリがない


しかし、最初のルシフ家陥落を除き、どれもが玩具で遊ぶ子供のように中途半端で杜撰なものであった。


なんの計画性も知性すらもなかったのだ。


そのせいだろうか?

やっとのことでヘルのメンバーを捕まえても何も知っていない。

拷問をチラつかせたら簡単に吐いてくれるのだがどのメンバーも


「好きに暴れてこいと言われた。」


としか言わないのだ。


子供っぽいからなのだろうか?その無邪気すぎる行動に恐怖を隠すものは誰1人としていなかった。。。







「うぅぅぅんッ!!いい朝だ」

こんな平和でつまらない時代にうまえたことに感謝する。

たとえ退屈だとしても暖かいご飯に家、家族だって



いるのだから。






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