肉食系美女しかいない世界にTS転生したら貞操の危機！？

バスケ

　チームは俺・七海・河井さん・それと後から加わった指原さんと、指原さんに引っ張られて来た杦本さんの５人チームになった。

「チームを作ったらそれぞれチームリーダーを決めて各チームリーダー同士がジャンケンで対戦相手を決めてくれ」

（俺たちのチームは誰がやるんだ？）

「チームリーダー誰にする？」

「華恋、貴方しかリーダーをやらないと思うからお願いするわ」

「えっ？皆はそれで良いの？」

　七海にそう言われたので皆に問いかけるが、頷いているのでそれで良いようだ。

「分かった。じゃあ行って来るね」

そう告げて数人集まっている所へ移動する。

　じゃんけんは俺が一人勝ちしたので、その後の経緯を見守っていると決まったみたいだ。俺たちの対戦相手は、赤髪ショートでしっかりと引き締まった肉体美のいかにもなスポーツ女子だった。

「私は菊池翼。一応バスケ部に所属している身なので加減はするが、お互い楽しかったと言えるプレーにしようぜ！」

そう言って握手を求められたので、俺も固く握り返す。

「勿論、私は桜音華恋。お互いスポーツマンシップに則った紳士…？淑女的なプレーにしようね」

「ああ勿論だ」

（どの世界もこんなやり取りは行われるんだな…まぁ途中で紳士を淑女って言い換えたけど間違って無いよな？多分、きっと…大丈夫でしょ）

どこか釈然としないまま皆の所に戻る。

「それで対戦相手は誰になったの？」

「菊池さんって人だったよ？」

七海に質問されたのでそう返すとなぜか皆の雰囲気が変わった。

「菊池さんと言えばスポーツ推薦で来た有名な人ですよ！」

「えっそうなの！？」

「そうみたいだよー。他のチームメンバーも全員運動部とバスケ部の人で組んだみたいだし勝つのは厳しいよー」

河井さんと指原さんはどちらも勝つのは半ば諦めているようだ。杦本さんの方に視線を向けるが、相も変わらず眠そうだった。

（俺はスポーツ結構好きだし、皆とも一緒に楽しみたいけどなぁ…）

「取り敢えず皆、楽しむこと第一に頑張ろう！スポーツなんて楽しんだもの勝ちなんだから」

そうやって士気を高めようとしたが一人手強い人が居た。そう、大きな欠伸をしながら座りこんでいる杦本さんだ。

「眠いのでパス…」

「杦本さん…この試合頑張るだけで良いんだよ？一緒に頑張ろうよ…」

「…なんで？」

「なんでって皆でする方が楽しいと思うから…」

「そう…分かんないけど…分かった」

「ほんと！？ありがと！！じゃあ皆で一緒に頑張ろう！」

「その代わり勝ったら何かご褒美を所望する…」

「えっ！？ご褒美ってなに！？」

　その後杦本さんにどんなに問いかけても返事はくれなかった。

（まあ試合終わった後には多分、杦本さん自身が忘れてそうだし大丈夫…かな？無理だったら断れば良いし……よし、試合頑張るか！）