ストレッチ

ペアが出来たので二人で列に並んで座る。

周りはまだペアを組んでいる最中だった。

 その中には、指原さんとペアになっている眠たそうな杦本さんだったり、知らない人とペアになっている七海も見かけた。


皆がペアを組み終わり続々と列に並んで行く。全員が並び終わると、先生が声をあげた。


「よしペアは出来たみたいだな。まずはペアでストレッチをしてもらう。それじゃ、距離をとってそれぞれ始め」


そう言われて距離を空けてストレッチを始める皆。


「それじゃあ私たちも始めよう」

「はい」


座って足を伸ばし、河井さんの足裏と自分の足裏を合わせて手を繋ぐ。


「ああ、華恋様とこんなに強く手を握り合えるなんて……この御手を汚したい…」

「うん?何か言った?取り敢えず手を引っ張り合うけど大丈夫?」

「強く引っ張って貰っても大丈夫です」

「?分かった。せーのでお互い引っ張るよ。せーの!」


お互い引っ張り合う。腕がぴーんとして筋肉がぐぐっと伸びるのが感じられる。


「うっ…これ意外とキツいね?」

「ハアッハアッ………そうですか?私は今…今世紀最大の幸せを体感していますよ」


 息は荒いし、言ってることはよく分からなかったけど、これくらいは大丈夫みたいだ。


数十秒続けた後、離れて今度は前屈の姿勢になる。それを後ろから押して貰う。


「背中押してー」

「華恋様のお背中を触れるなんて……」

「ん?押してくれないの?」

「いえ押します!」

「そう?まぁお願い。いたた……痛い!痛い!」

「すみません…強く押しすぎましたか?」

「いや大丈夫だよ。私の身体が固いだけだから続けて」

 そう言って続けて貰う。


(それにしても、時々触り方がくすぐったいな…まあ身体自体が変わったんだし、もしかしたらこの身体が刺激に弱いのかも…)


そんなことを考えながらお互いのストレッチを続けていくとやっと終わった。


「ハアッ…やっと終わったね」

「そうですね。至福の時間でした…」

 満面の笑みを浮かべているのを見る限り、河井さんは運動が好きなんだと思う。


周りの様子を見ているとまた七海と目が合った。七海とはよく目が合う気がする。


「よし、ストレッチも終わったみたいだな。それじゃあ今日はバスケットボールをしてもらう。各々適当に5人1組のチームを作ってくれ」


 そう言われて騒つくクラスメイト達。知り合いでも誘おうかな?と、考えているとすぐ声をかけられた。


「華恋、一緒にチームを組みません?」

「いいよ。私も七海を誘おうかなって思ってたし」

 

そう答えると近くに居た河井さんも声をあげる。


「あの!そのチームに私も入れて貰えませんか?」

「ええと…河井さんも入りたいんですか?」

「はい!華恋さんが良いなら…是非!」

「私は良いよ?」


そう言うと、綺麗なピンクブロンドを揺らしながら大はしゃぎしている。


(そんなに喜んで貰えるなら断らなくて良かった。運動自体が好きみたいだしバスケするのが楽しみなのかな?)


そんなこんなでチームが決まった。















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