第13話 深夜、ひとり

 何時間寝ただろうか、私は目を覚ました。


 お酒が抜け切っていない。水を飲もうと立ち上がると頭が痛んだ。スカートにシワがよっていたので脱いだ。化粧もとりたくて、シャワーを浴びた。


 ドライヤーをしている時、「私から好きだと言おう」と思った。


 大人になれば、告白もなく始まる付き合いもあるけど。

 昔、まっすぐ告白してきた彼に対して、誠実でいたかった。


 千早君が私を大事にしてくれるように、私も彼を大事にしたい。

 

 すっきりした気持ちで脱衣所を出る。

 しん、とした部屋が寂しくて、テレビをつけた。内容は何でもよかった。人の声がすると安心する。


 そうだ、スマホはどこだろう。

 バッグの中を探すけど見当たらない。最後に見たのはいつだっけ、お店で写真撮って、それで……忘れてきたのだろうか。

 タクシーに忘れた線もあるな、と思っていると。


 それまでBGMだったテレビの内容が、不意に耳に飛び込んできた。

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