クワイエは獣のように鋭く、素早い。そしてエロい

「いやおれは、ハーレムを求めて異世界に、なんでもない」


「へんたいっ」


 へんたいという言葉が弓矢のように飛んできて俺のガラスのハートにグサッと突き刺さる。


「あらあら、ではそろそろ試練を始めますか」


 立ち上がるその姿は、獣のように猫背となる。

 ゆらりゆらりと両手を揺らし、ニヤリと口元が

 三日月のように曲がる。

 ザッと俊敏な何かが俺の顔の近くを通り過ぎていく。

 顔に細い傷ができサーっと赤い血が流れ落ちる。


 俺は戦闘態勢に入るように魔剣を構える。クワイエは、俺の周りを丸く走る。段々と早くなっていき全く見えなくなる。

 どこからか攻撃がくるかわからない俺は魔剣を薙ぎ払う。ふっとクワイエの残像を斬ったようだ。ハズレである。後方からクワイエの攻撃が

 当たる。肩をすれ違いざまに切り裂いていく。

 ブシュっと出血しているが、オート回復をする俺にとってはかすり傷程度にしかならない。

 切り裂いたあとを追撃するように俺は魔剣を後方に斬る。必死の抵抗の攻撃は当たらない。

 このままでは、一方的な攻撃を受けるだけだが、

 攻撃を受けたとしてもオート回復するので問題はない。

 持っている魔剣を地面突き刺す。

「いったっ。ちょっとっ」

「少し我慢しろ。火力は最大だっ!!」


 俺の周りを焔が舞う。赤くメラメラと燃え上がり円を描くように形成された焔を魔剣に収束させていく。魔剣を地面から勢いよく引き抜くと

 身体を横に一回転させて焔を放つ。


 魔剣は焔を飛散させチリチリと燃え上がる。

 どうだっ!!というように旋回していたクワイエに向ける。

 残像が消えて本人が火傷をした状態で現れる。

「あぁぁあっ!!」


 クワイエの身体から煙がゆらゆらと出て、服が焔によって破けセクシーな部分だけが強調されギリギリ見えてはいけないところが見えそうで見えない。胸の谷間が見えたときはドキッとしてしまいあの柔らかい感触を再び思い出してしまう。


「こ、降参するかっ?」


 俺は、興奮したのか?さっきの焔による気温の上昇?身体がぽかぽかで暑いと感じる。

 そのせいなのか?若干、かんでしまった。


「クワイエ、負けを認めなさい」


 クラリエは、魔剣から人になるとクワイエに

 向かって腕を組み軽く足を広げる。


「わ、わたくし、まだっ!!」


 不意に視界から消え去る。

 どこだ!?と周りを見渡すがどこにもいない?

 俺の真下に姿を表すと首を捕まれ押し倒される。

 捕まれる寸前にクラリエが手を伸ばすが届かなかった。


「はやと!!手をっ!!」


 クラリエは魔剣に戻ろうとするが、俺の両手は、塞がっている。

 俺は、クワイエの手を離そうするが力が強く引き離せない。ギリギリっと首を絞める力が強くなるたびに呼吸が出来なくなる。


「い、いきがっっ……」

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