OLによるOLのための演説

トリスバリーヌオ

OLによるOLのための演説

 私はOLである。

 これに対して何ら反論は受け付けない。

 これが前提としての話である。


 もとより「OLでなければ語れない話」というわけではないため、それらがあやふやな物だと主張されても、私は一向にかまわない。

 だが、これだけは信じてほしい、私はOLだ。


 私の一日は通勤電車に「もみもみ」されるところから始まる。

 荒波の中で、空虚な手を掴む瞬間なんてぞっとする。


 現代社会において女子高生の手を掴むなんて、男性女性関係なく死刑だと誰もが知っている。

 以前、こんな経験をしたことがあるんだ。

 電車の中で女の子の嬌声のようなものが聞こえて、好奇心に駆られた私は、それが何なのか確認したんだ。


 するとどうだろう、女子高生が煙草を吸っているではないか。

 段ボールの板一枚片手にきゃぴきゃぴ騒いで、見苦しいったらありゃしない。


 それに比べてガラス越しに移る私の美しい身体は……話が脱線してしまったな。

 つまりだ、今どきの女子高生は(といっても東京限定という話だが)頭のおかしい変わったものが多いという物だ。

 そして、それに関わったら最後、私の体は骨まで吸われてねぶられて、私自身が豚のような嬌声をあげてしまうという、悲しきモンスター、今どきの若い子の言葉を使うなら、ゴブリンになってしまう。


 こんなことならば電車に乗らなければよかったと、びくびく痙攣してしまうほどだ。


 まだ、狂気的な恐怖を味わう瞬間がある。


 女性に尻を揉まれた。


 その日はいつも通り電車に乗っていたが、運悪く電車の扉際に立っていたんだ。

 そのとき私と同い年くらいの髪の長い女が、優しく汚い手つきで……思い出すだけで君が悪い。


 小心者の私は黙って震えることしかできなかったと、悲しい思い出だ。


 そんな剣山のようなものを回避しきった、次は、会社が……そう! 私をOLたらしめている会社があるのだ!


 おお! 会社とはなんと素晴らしいものか、一時の労働を金に換えられるあの錬金術! カエルを踏みつぶしながら、人を蹴落としながら登山に励むあの行為は!!


 おっと、失礼。


 OLとしたことが。


話題は盛大にそれてしまったが、ここでは私が思うOLが何なのかを宣言しよう!


殺人は殺人だ。

罪は罪だ、償わなければならない。


OLはOLだ。

OLゆえにOLなのだ。

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OLによるOLのための演説 トリスバリーヌオ @oobayasiutimata

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