「全体は部分の総和に勝る 」 2023年 第68回全日本学生拳法選手権大会 見聞記 V.5.4
@MasatoHiraguri
第1話 はじめに
「全体は部分の総和に勝る 」アリストテレス
「The whole is more than the sum of its parts.」(テクノロジー格言より)
この言葉は、昨年の第67回全日本学生拳法選手権大会観戦後に思い浮かんだ、第68回大会におけるテーマでした。「2023年」はこの観点で楽しもうと思っていたのです。
2022年の大会「関西学院大学対明治大学の準決勝戦」(YouTube観戦)と「中央大学対関西学院大学の決勝戦」を見て、この格言を思い出したのです。
明治大学は、一人一人が優れた技量を持ちながら、関西学院大に押されてちぐはぐな拳法になり、全体としての力にならなかった。面突き・胴突き・蹴りという攻撃でポイントを取ったのは、7人でわずか2本(大将のみ)というのは、この学校の新(珍)記録ではなかったか。
相撲じゃないんですから、追し出し(場外警告)2回で一本取ったなんて、駆け出しの級クラスならまだしも、三段の選手がやって高く評価されることではない。
(対明治戦における関学の先鋒のように、切れのある組み打ちでスコーンと投げ飛ばしたり、プレッシャーをかけて相手のペースを乱すというのは、いかにも日本拳法らしくて見応えがあるのですが。)
そんな明治らしくない明治に比べ、対戦相手の関学は7人一人一人の強さが全体の相乗効果となって良い結果を導き出した。関学の場合、自分の拳法を徹底的に追求するというベクトル・パワーを一人一人が持ち、且つ全体力に勝っていた為「強力なボスザルがチームを引っ張る」ことがなくても「全体」で明治を凌駕できた。
ところが、中央対関学の決勝戦では、この「全体は部分の総和に勝る 」関学を、更に上回る中央が制しました。
中央大キャプテンの「お祭り男」体質がチーム全体を盛り上げ、1+1+1+1+1+1+1を8にした、かのようでした。もちろん、抜き胴の名手という秘密兵器を次鋒に持ってきたり、一人一人が独自の位相を持ちそれを強力に発揮する関学拳法を阻止し、自分(たち)の拳法を貫いた中央の「強力な自我・コギト・エルゴ・スム」の総和が、全体となって機能したということもあったでしょう。
そんな私の(独りよがりの)思いが、「2023年の(中央・関学・明治)はどうなるであろう」という興味・関心となったのでした。
この一年間、私の住まいにネット環境がない為、YouTubeで各種大会の観戦は疎か、大学日本拳法のブログを気ままに見ることもままならず、ほぼ白紙の状態で2023年11月26日の第68回全日本学生拳法選手権大会を観戦することとなりました。
まあ、何の予備知識も先入観もない方が素の心で楽しめるという、負け惜しみ半分の気持ちでしたが、そんな予想に違わず、今回は今まで気づかなかった大学日本拳法の新しい魅力を、発見することができました。
去年も今年も、双眼鏡を台湾に忘れてきたということも、かえって良かったのかもしれません。目に見える事象ばかりで物事を見よう(理解しよう)とすると、心・精神面での面白さや意味を見逃してしまうものです。
2023年11月27日
V.1.1
2023年11月28日
V.1.2
平栗雅人
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