そのころの王妃

「あぁ…王妃様…なんてお可哀そう…」


「あぁ…どうしたものか……」


我が子がいなくなった王妃、ショック、いや気絶から目覚めた彼女は異様な空腹を感じていた。目が覚めてから王である旦那が帰宅してなお、王妃はリビングくらいの広さの食堂に入りびたり食事を食べ続けていた


この世界は人に伝える、残す方法は口頭でしかない。だけど、この世界は異世界ファンタジー、日本人とは異なっていた。転生特典が無くても軽い魔法くらいなら使うことが出来るのだ。この世界で魔法を使う理由とすれば、衣食住に関する利用が主だ。戦争なんか起こるわけもないこの世界、外にはファンタジー世界の例に漏れず魔物がいるが、人間が快適に生活できる環境下においては強力な魔物は出現しない。しかし、森や山、海といった人があまり生活しない場所においては強力な魔物は存在している。そのような場所から人のいる場所に降りてくることもあるが彼らは人に興味を持たない


魔物は魔物同士で魔力の塊である魔石を食い合う。そのため魔石を持たない人間には興味が無いのだ。これが王妃の息子である転生者の思った通りに大国が出来たりしたのであれば、生息圏を脅かす敵として襲い掛かってくるのだが……。実際小国ばかりのこの世界で魔物が人間を襲うのは敵として認識するような弱い魔物だ。この世界の住人はそんな魔物を狩り、魔石を捨て、肉を食べる


それ以外の利用法とすれば魔法で衣類を編んだり、畑の作物に魔力を与えて成長を促進したり、飲み水を作ったり、まぁ平和な使い方だ。そんな世界だからか食料問題はあまり深刻じゃなかったりする。魔法を使えば小さい土地で沢山の作物を作れる。そのため王妃が食事を続けていても食糧難にはならなかったりする

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る