第11話

寒い


さ、さむい…そして今日は…雪が降っている!!

狭いベランダへ夏に買ったパラソルと折りたたみの椅子を出して、しっかり着込む。ブランケットと暖かい飲み物を準備して…。ベランダでちょっとしたキャンプ気分。屋根もない、飾り気のないコンクリートのベランダだが今日はあってよかった。と心から思った。

さむさむ…。でもふわふわとした雪が自然を感じさせてくれる。ふー、と何も考えずに雪を見ている。遠くの山は見えない。

雪とか雨の日は外を見ているだけで考え事をしなくなって、エゴやマインドの声が聞こえなくなる。宇宙に繋がっている感覚。

耳が冷たくなって、ニット帽を深くかぶり直す。

遠くでこどもたちの楽しそうな声がする。久しぶりの雪を喜んでいるのかも。雪が降ると交通の心配や積もった後の影響を考えるけど、こどもたちの純粋な笑い声が私の心を温かくする。心地よい。こどもの頃のように色んなことを楽しみながら過ごしたいな、と思ったので、楽しんでいる自分をイメージして宇宙にオーダーした。

鼻がグズグズいいだしたのでそろそろ部屋に戻ろう、大きく深呼吸した。冷たい空気が体に入ってとても気持ちが良かった。

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