第4話
僕は小さい頃からやっていた野球をずっと続けてた。高校にだって野球の推薦で進学することが決まっていた。
高校はどんなところだろう、これからどんな生活が待っているんだろうそんな機体と不安で胸がいっぱいだった。
進学予定だった高校は野球部専用の寮があって夏から僕は寮に住むことになっていた。
それまでの期間は家から1時間半かけて学校まで通う日々が続いた。
毎朝行っていたサムとの散歩も行けない日が出てきて忙しない日々を送っていた。
それでも、学校から帰ればサムのところにいつも行って今までと変わらない愛おしさに癒されていたし、僕にとってはその時間が忙しい日々の中でとても大切な時間だった。
夏になっていよいよ僕は寮へと入ることになる、朝起きて今にも溢れ出しそうな不安を心の中にしまって、少しでも心配させないようにと行ってきますを伝える。
お母さんは少し泣きそうになってて、それを見ていよいよ家を離れて暮らすことになるんだなって実感が湧いた。
サムのところに行ってサムにもいつもみたいに話しかける。
「サム行ってくるね待っててね」
そう伝えて僕は家を後にした。
寮に着いてからは不思議と寂しさはなくて、野球の練習や今までとは違う生活に戸惑いながらも一日一日を過ごして行った。
辛いこともたくさんあったけど、一緒に野球をする仲間がそこにはいたから、楽しいこともすごくたくさんあった。
くだらないことをしてみんなで笑ったり、調子に乗りすぎて先輩に怒られたり、とにかく濃い毎日だったから、1週間が経つのはあっという間だった。
寮のルールで毎週日曜日には仲間たちと外食に行って良いことになっていた、もちろん外食も嬉しかったけど、携帯を持つことができなかった僕たちにとっては外食のたびにwifiのあるところにいってLINEを返すのが楽しみになっていた。
初の外食で1週間分の連絡を返す事にも楽しみを感じながら仲間と食事をする。
それから、ショッピングモールの椅子に座って各々が返信を返す。
そうしていると、お母さんからふとLINEが入る。
「サムくん、死んじゃった」
僕は突然のことすぎて、遠く離れた家で起きた出来事に対してどのような感情でいれば良いのかがわからなくなった。
「いつ?」
「今日の朝、散歩してる時に倒れて、病院連れてったけどダメだった、ごめんね」
少しずつ、本当にサムがもういないんだってことが頭の中で理解されてきて、今すぐに帰らなきゃって思いが強まる。
外食から戻ってすぐに、泣きそうになりながら寮長に伝えて、明日少しだけ帰らせて欲しいと相談をする。
寮長もわかったと承諾してくれて、僕は翌日、
早くも家に帰る事になった。
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