逆ハーレムの後始末
GATA
第1章 追放 と 火種
第1話 ゲームのエンディング
「お前との婚約を破棄する!」
まだあどけなさを残す金髪の王子が、腕に栗色の少女を抱えながら、婚約者にたいして宣言した。
「そんな・・・・」
口を押える婚約者の薄い金髪の女性が、王子に近寄ろうとする。
「これ以上近づくのはやめていただこう」
「リースをいじめた君をこれ以上近寄らせるわけにはいかない」
「危害を加えるなら容赦はしない」
「邪魔はさせないよ」
4人の男性が王子と婚約者の間に割り込んだ。
僕はその光景を見なから、永年の違和感が氷解していくのを感じた。
―ここはゲームの中の世界だったのか―
ミツハ家の公爵の長男ロイスとして生また僕は、物心ついたときに違和感を感じていた。教わっていないことを知っていたり、習ってないことを知っていたり、誰もしらないことを知っていたり。
おそらく前世とかいう奴の記憶がそうさせていたのだろう。そして、その記憶は僕をつついてきた。
学校に通うことになったと知ったとき、違和感が確信に変わり、そしていま、それは確証にかわった。
まぁ、美男美女が多く、髪の毛もやたらとカラフルなので、普通じゃないとは思ったが。
そして、いま見せられてるのは、おそらくは「逆ハーレム」とかいうやつのエンディングのシーンなんだろう。
男どもがステファニー嬢に向けてる視線が、敬愛するものではなく、愛するものに向けてるそれであったからである。
「絶対に物凄い面倒臭いことになるな」
僕がつぶやくと、隣にいる執事が僕に耳打ちした。
「これを見越して準備していたのでは?」
「残念ながら見越しては無いんだよ」
苦笑する。
「知ってますよ。しかし坊ちゃんのいうこと聞いていれば酷いことにはならないですからなぁ」
「スキルのおかげたよ。あんまり期待しないでね」
執事が恭しく頭を下げる。
「では、私は馬車の準備がありますので、失礼いたします」
「わかった。手筈はよろしく」
執事がホールを後にするのを横目にみながらため息をついた。
糾弾会はまだ続いてた。
―頑張るね―
これから起こることを思うと頭痛で頭が痛くなった。
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