第2話黄昏時の一風景

夕暮れ迫る16時、両親が夕食の支度を整えて料理を作っている。

煙が立ち込める、薪の燃える炎と鍋からもわっと立ち上る湯気。

鍋の中身はカレー、香ばしい香りとスパイスの仄かな香りがハーモニーを奏で、匂いだけでご飯はおかわりできそうだ。


そろそろ出来上がりそうだな、父

そうね、あっあなた牛乳かヨーグルトは入れたの?、母

えっ、お前がいれてくれたんじゃなかったのかよ?、父

えぇ~、あの子達がたべられなくなるでしょう?

、母

そうだよな、あっしまったぁ。さっき喉が渇いてたから牛乳を飲んじまったぁ、父

嘘でしょう?なんでいつもあなたはそうなのよ、母

こまったなぁ、なんかないか探してみるから火加減見ておいてくれ、父

わかったわ、まろやかになればなんでも良いから、わかってるわよねぇ~。あぁ行っちゃった、聞こえてたかしら?、母

パチパチ、煙を避けながらカレーの出来具合を確かめている母。

一方、車の荷物スペースに置いてあるバッグを全て開けて確認している父。


おぉぉ、あった、あったぞ、やったね俺。父

さすがは俺だよな、こんなところにヨーグルトをしまってあるなんてな、父


おぉぃ、あったぞぉ~、父

あぁ、本当によかった、母

母の目には涙が浮かんでいる、だがそれは感動している訳ではなく、単純に煙たいのだった。

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