クリスマスイヴの告白
雪花 涼麗
初恋
「―――――好きです。付き合ってください」
「え――――――」
思えば、僕が彼女を好きになったのは何時だか覚えていない。
彼女はいつも僕の隣りにいた。
幼馴染、というのだろうか。
そしていつの日か彼女に恋をしているんだ、と自覚をした。
最初に気が付いたのは中2の7月ごろ。
彼女といつも通り話していたところ、きっかけは特に覚えていないが僕に笑いかけてくれた。
天使の笑みで。
僕はその笑顔にドキッとした。
そしてなんとも表せない感覚に襲われた。
あぁ、これが恋なんだ、僕はいつの間にかこの幼馴染に恋をしていたのだと。
更にそこから1年経った中3の夏休み。
僕は彼女と2人で旅行に行った。
それで確実に距離が縮まった。
これと言ったことは特にないが、僕は彼女と居るだけで幸福の感情以外が芽生えず、恋というものは人を駄目にする麻薬だと初めて知った。
そこから更に4ヶ月後。
僕は今回のクリスマスデートに誘った。
無論、僕はデートだと思っていたが、彼女はデートだと思っていないだろう。
2人でいつものお出かけ、と思っているのだろうか。
それとも僕が気が付いていないだけで向こうもこちらのことが好きで受け入れたのだろうか。
僕が告白することを知っていて。
少し速いとは思ったが、付き合いも10年以上になる。
だから速い遅いはないだろうと思った。
今更後戻りなんてできない。
僕は羞恥心にかられていた。
どちらにせよ、僕が今、出来ることは彼女の答えを聞くだけだ。
Yes、という答えを。
「――――――ごめんなさい・・・・・・」
こうして僕の初恋は儚く散った。
クリスマスイヴの告白 雪花 涼麗 @nEzum1
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