異世界転生でエロ同人にしか使えない能力を押し付けられた件
がっかり亭
第1話 童貞のまま死にたくない
その日、伊勢大介は死んだ。
中肉中背の健康優良浪人生19歳は、雨の中、大型トラックに撥ねられたのである。
その衝撃が、最初に接触した肘やわき腹から登って来るより早く、彼は死を確信した。
駆け抜ける走馬燈。
幼少期からの思い出が、一瞬のうちに一気に流れ出す。
しかし――
ロクな思い出がない!
大介の心はそう叫んだ。
それほどに、彼の青春は暗黒だった。
女の子が出てこない!
野郎たちとのエロ本の回し読みや、血走った目で閲覧しているエロサイトにしか肌色が出てこないのだ。
高校は男子校だった。
その上で、女性とも縁がなかった。
柔道部の軽量級として、ただ練習に明け暮れた日々。
大学受験に失敗し入った予備校でも、まだ女性とまともに会話もできていない。
死ねない――!
胸中で巻き起こるは、その鋼の一心。
むきだしの願望。
童貞のまま死にたくない――!!
その悲痛なまでの心の叫びが、次元を超えて響き渡った。
ゆえに。
それは来た。
『よぉし! アタシ様がお前にチャンスを与えてヤろう!!』
光が大介の意識を満たした。
だがそれは、荘厳な白き光でも、神の威光をしろしめす雷光のような輝きでもなく――
歓楽街のネオンに似た猥雑なピンク色だった。
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