神様召喚?!子連れ見習い冒険者は無双する
城間盛平
運命の朝
この日レオンはガバリとベッドから起き上がった。今日は特別な日だ。何故ならレオンの十五歳の誕生日だからだ。
レオンは手早く身支度を済ませると、家族の待つ部屋に飛び込んだ。
「母さん!ウィリディス!おはよう!」
「おはよう、レオン。今日は早いのね?」
母のサンドラは台所仕事の手を止めて言った。レオンは少しムキになって答えた。
「当たり前だよ!今日は僕にとって特別な日なんだから!」
「はいはい、わかっているわよ?なら早く席について。朝ごはんにしましょう」
レオンは母との温度差に顔をしかめた。レオンの側にウィリディスが立って、耳打ちした。
「サンドラはあんな事言ってるけど、今日はお日さまが登る前からソワソワしてたわよ?早起きしすぎたから今朝のご飯はとても品数が多いの」
母のサンドラは、ウィリディスをギロリとにらんでいった。
「ウィリー!余計な事言わない!」
母とウィリディスのやりとりにレオンはクスリと笑った。いつものようにレオンと母のサンドラ、ウィリディス三人の食事が始まる。
ウィリディスの言う通り、いつもよりも朝食の品数が多かった。パンに野菜スープ、ベーコンと根菜の煮物。サラダにフルーツ。皆レオンの好物ばかりだった。
レオンは焼きたてのパンをほおばりながら、母とウィリディスに聞いた。
「ねぇ、母さん。ウィリディス。僕はどんな精霊と契約できるかなぁ?」
この質問は、レオンが小さい頃から度々した質問だった。その度に、母とウィリディスは優しく答えてくれた。
きっとレオンを生涯愛してくれる精霊に出会えるわ。
レオンはその言葉をずっと信じていた。そしてついにこの日、レオンは自身と契約する精霊を召喚するのだ。
母のサンドラは植物の精霊ウィリディスと契約している。ウィリディスは緑の長い髪に、緑色の瞳をした美しい精霊だ。
サンドラが十五歳の誕生日の日に召喚の儀式を行って、現れたのがウィリディスだ。サンドラはその日以来ずっとウィリディスに護られているのだ。
レオンは仲の良い姉妹のようなサンドラとウィリディスを嬉しそうに見つめた。母はレオンに優しい笑顔で答えた。
「母さんは植物魔法を使うから、植物の精霊のウィリディスと出会えたの。だからレオンも植物の精霊と契約するかもね?」
サンドラは土魔法の一つ、花を咲かせる魔法が使える。レオンは母に似て、植物を育てる魔法が使えるのだ。だからレオンも植物の精霊と契約する可能性が高い。
レオンは食事を済ませると、学校に行く準備をした。これから学校に行き、礼拝堂で召喚の儀式を執り行うのだ。
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