第12話 なんで難解なんだ、、、、
私が異世界に来て2ヶ月ほど、この村に来て2ヶ月と言っても差し支えないのだが、私自身は、ご存知の通り色々パワーアップしているのだ。それこそ、拳だけでオークをほぼ倒せるぐらいには。
で、そんな私はほぼ毎日と言っても良いほど、この村、ソリアスの住人である若き青年レク、幼馴染の、恐らく中学生ぐらいの、4人集レイサ、シェリ、ゲウラス、リウスと話す。
そこで、最近、と言っても、だいぶ前から薄々気づいていたのだが、レクは、まぁ、一旦おいといて、この4人集の関係が恐らくかなり複雑なのだ。
今でこそ、楽しそうにみんなは話しているし、恐らく本人たちもまだ気付いてないと思うのだが、いずれこの関係が絶望的なまでにドロドロになる可能性があるのだ。
うん。今も楽しく話しながら、薬草を取り、モンスターと戦ったりしているこの4人集を見ると決してそんな感じはないのだけど。
「ねぇ、レク」
「あ、はい!どうしましたか?」
「いや、うーん」
どうしようかな。言ってもいいけどなぁ。
チラッとレクを見ると、不思議そうに首を傾げる。
(この表情をしている者に頼るのは果たして良いのだろうか。なんか、無神経に本人達に聞いてそう)
そんなことを思いつつ、やはり悩む。そもそも、あの子達の問題なので私が首を突っ込むものでもないと思うのだ。
だが、しかしこの子達の将来も心配なのだ。それぐらいの優しさはある。
「そうね、、、、ちょっと質問なんだけど、あの子達のことどう思う?」
「えぇと、どう、と言うと?」
「私の見立てでは、レイサがリウスのこと好きで、そのリウスはシェリが好き。でシェリは、ガイエルが好きで、ガイエルは特にどっちも好きじゃないとみた」
「え?それは本当ですか?」
「いや、推測よ、推測。あんまり真に受けないで欲しいけど、もしかしたら、ね」
レクは視線をずらして楽しそうに話す4人集を見る。
「うーん、僕にはあんまりよく分からないですね。でも、もしそれが本当だとして、どうするのがいいんでしょう?」
「私も分かんないわよ。だって、私、人の感情に敏感なだけよ」
2人して、前の4人集を見た。
果たして、私はどうすれば良いのやら、、、、
まぁ、とりあえず出来ることはないから、様子見かな、そんなふうに思って流してました。はい、やっぱりこういうことってあるよね。で、何があったのかというと
いきなり、何故か告白イベントが発生しました。
もう本当に何でそうなったのか分からないぐらい急に告白イベントが発生。
念のため、レクに私の言ったことを伝えてないか確認すると、断じて、言ってません!とのことだったので、それを信じることにする。
では、気になるのは、誰が誰に告白したのか、ということだろう。それは、
「えっと、ごめんなさい」
そうシェリが、リウスに謝った。
ちなみに、このようなことを覗き見することはよくないと思われるかもしれないが、たまたま、歩いていく2人を見てしまい、その後を追っている時、レクもその2人とこっそり後を追う私を見つけてしまって、ついてきたのだ。
まぁ、悪いかもしれないが、やはり気になってしまうのだ。しかも、その結果がこれだし。
リウスはその言葉を聞いて、しばらく黙ってしまう。
少しその様子を眺めてから、レクの袖を引っ張る。
「行きましょ」
そう言うと、レクも静かに頷いて私たちはその場から離れた。
翌日、いつものように、レクに武器の訓練兼身体能力向上の訓練を受けて、5人でレクの家にまた集まっていたが、すぐにその異変気づいた。
レイサがやたらとリウスの方をチラチラと見るのだ。
(これは恐らく、シェリがレイサに相談したな?)
そう感じとる。
そして、その日の4人が解散する前にレイサに声をかけた。
「珍しいね。お姉さんが私に話って!」
私が何かを頼ることを期待しているのか、声を弾ませながら言う。しかし、残念ながらそうではない。
「単刀直入に聞くわ。あなた、リウスのこと、好きよね?」
すると、目を皿にして固まったのち、どんどん顔が赤くなっていき
「なんで⁉︎」
そう大きな声で叫ぶ。すると、横にいたレクと私を交互に見る。
「え、どっちが気づいたの?そんな分かりやすかった?」
赤く染まった頬をもみながら聞く。
「それは、レイカさんだ。俺も昨日レイカさんに言われて、今日のお前の様子を見て、もしかしたらって思ったけどな」
「そ、そうなんだ、、、、で、さぁ。お姉さん」
「うん?」
「私にチャンスってあるかな?」
そう相談される。うん、絶対に聞かれると思った。なので、事前に返事を考えてきた。
「それは、もちろん分からないわ。私は神じゃないもの。けど、私としてはあなた達には仲良くして欲しいと思ってる。だから、もう少し様子を見なさい。私達は、リウスが告白してるところを見たの。それを踏まえたうえでの言葉よ」
「そっか、2人とも知ってるんだ。まぁ、でも私としても、もう少し時が経ったら動こうかなぁって思ってたし」
「そうか、まぁ頑張れ。俺達は部外者だし、どっちも経験ないし」
「2人とも頼りないね」
「言ってなさい。あんたより経験はあるわよ」
そして、しばらく談笑してから解散となった。
「で、レクは別にいなくてもよかったけど?」
「さ、流石にひどいですよ。俺だって気になりますよ。あんなこと言われたら」
「ふーん、それはそうね。まぁ、どうか仲違いしないように祈るばかりね」
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