ヴァンパイア・ナイトメア

野うさぎ

第1話

 私は、ボニータ。

 身長139センチ。

 姉1人、妹1人の3姉妹の中間子。

 吸血鬼になったことで若返り、幼児化した言わば「ヤング・ヴァンパイア」という種族に当たる。


 魔女をイメージさせるような黒のトンガリ帽子をかぶる。


 左目は黒い薔薇型の眼帯で隠し、右目の下には紫のラメが入ったアゲハのタトゥーシールがある。

 口元には、ほくろがついている。


 唇の色は、元から薄めのピンク。

 

 背中まで長い髪の色は薄い紫で、両サイドに小さな三つ編みを作り、横髪は姫カットで揃える。

 瞳は、薄い桃色でかわいい。


 両耳には、音符型のシルバーのイヤリングをつける。


 肩出しかつ、袖がキュッとした黒のセーラー服に、白のドット柄のスカーフを巻く。

 そのセーラー襟には、白のレースの刺繍がある。

 背中には、小さなクワガタのぬいぐるみリュックを背負う。

 リュックの中身は、絵日記、クレヨン、スケッチブック、お気に入りの魔法少女の塗り絵、魔法少女の変身アイテムのおもちゃなどが入っている。

 その上に薔薇の刺繍が入った黒のケープマントを羽織り、首には白蛇をイメージさせたぬいぐるみのマフラーを首に巻く。


 黒の膝上ティアードスカートをはき、ベージュのタイツの上に網タイツを履き、厚底ロングブーツを履く。


 両手には、ピンクのラメの入ったマニキュアを塗ってから、キラキラのストーンをいくつかのせている。


 左手には、いつもピンクの長い髪を持つモナちゃん人形を持ち歩いている。

 モナちゃんには、いつも黄色のドレスを着させていて、足が隠れるくらいの長いスカートはラメでキラキラしている。

 足には、赤のパンプス。

 頭には、金色のティアラを飾っている。


 右手には、いつも赤いハートがあるステッキを持っている。


 好きなものは、恐竜と虫と食べること。

 好きな恐竜はトリケラトプスと、ティラノサウルスと、アロサウルス。

 好きな虫はてんとう虫、アゲハ、クワガタ、カブトムシ、蛙、おたまじゃくし。


 趣味はヒーローごっこと、魔法少女ごっこと絵を描くこと、ピアノを弾くこと、おままごと。


 ボニータの部屋には、大きなピアノが置いてある。

 虫や恐竜のぬいぐるみもある。

 モナちゃんの着せ替えの服がいくつかある。

 モナちゃんの家だけじゃなくて、レストランや回転寿司お店もいくつかあるし、病院や学校だってある。


 本棚には、虫や恐竜の図鑑が置いてあるし、ボニータの大好きな魔法少女マジーアちゃんシリーズの絵本もある。


「ボニーノさん、暇っす。


遊んでほしいっすよ」


 ボニーノさんは、ボニータの従弟。

 ボニータよりも背が高いママの方の親戚。

 吸血鬼の世界では「イケメン」と評されるけど、ボニータはあんまり気にしたことはないな。

 ボニータからしてみれば、暇な時に相手してくれる、言わば年の近い姉弟のようなもの。

 主従関係で言えば、ボニータの方が上ってとこっす。


 ボニータは、従弟のボニーノさんと従兄と伯父さんと叔父さんと幼なじみと同居している。

 特に深い理由はないけど、みんな吸血鬼一族だから。


「おもちゃや人形をまた、持ち歩いているのか?」


「うん、ボニータのお気に入りだから」


「高校生にもなっても、お人形離れできないのか?」


「うん、モナちゃんお気に入り。

ボニータの大好きで、大切で、手放したくない宝物っす」


「よくわかんないや」


「むぅ」


 ボニータは、ちょっとだけ不機嫌になった。

 人が一生懸命に話しているのに、理解していない態度やつまらなさそうな表情が気に入らなかった。


「ところでさ、今日のクリスマスパーティーは誰とするの?」


「誰って?」


「その、俺と行動したいか、したくないか、はっきりしてほしいんだ」


 何故か、ボニーノさんやが顔を赤めていた。


「決まってんじゃん」


「決まってる?」


「クリスマスパーティーは、ボニーノさんと一緒」


「どうして、そんなふうに決めたの?」


「深い意味はないけど、いい遊び相手だからっす」


「あはは、何それ?


いいように使われているような気がしてなないな」


「いいように使っているす、もちろん」


 笑顔で答えるボニータに、ボニーノは一瞬だけ、考え事をしているかのように止まっていた。


「幼なじみとか、兄さんとかじゃなくていいの?」


「急にどうしたの?

らしくないっすよ」


「だよな。

俺らしくもない」


「変なの。

クリスマスパーティー、何にする?」


「変なこと、言っていいか?

ボニータちゃんの部屋でゆっくりしてたい。

いいかな?」


「いいっすよ。


これで落ち着くとか、ボニータたちは、本当の双子みたい」


「もしかして、気づいてるの?」


「気づいてるって、何が?」


「やっぱ、何でもない」


「変なの」


 ボニーノさんは、時々そういったよくわからないところがある。

 ボニータは、そこまで深く気にしてないっすけどね。


「家には、モナちゃん人形とか、塗り絵とかあるっす。

これじゃつまんないなら、公園で遊ぶとかどうすか?」


「年齢、考えてほしいな。

高校生にもなって、そんな遊びとかすると思ってるの?」


「むぅ」


 ボニータは、頬を膨らませた。


「ボニータは、高校生だけど遊ぶっす」


「どこまで幼児化してんだか・・・。


昔は、そんなんではなかったろうに」


「ボニータには、ボニータなりの事情があるの。

それに、ボニータの小児科をやっている医者を伯父さんと、学校の先生をしている叔父さんもいるっす」

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ヴァンパイア・ナイトメア 野うさぎ @kadoyomihon

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