深痕のミシア短編1―アーキル編―

真田 了

サラム人

『クラスタリア』はこの世界の名であり、この星の名でもある。

クラスタリアに住む人間は、大きく6種類の人種に分かれている。

そしてクラスタリアの人間社会のカレンダーでは1週間は6日であり、各人種は曜日になぞらえられていた。すなわち、

火のサラム人

水のウィンズ人

木のエルフ人

風のシルフ人

土のドワフ人

日のオラク人

である。


このうちのサラム人は、クラスタリア最大の大陸『ハイオズ大陸』の西の果てである『サラマンディード地方(別名、火山地方あるいは砂漠地方)』で主に暮らしていた。

サラマンディード地方は地形が南北で大きく異なっており、北部は火山帯、南部は広大な砂漠である。そしていずれも生活するには過酷な環境であった。


サラム人の特徴は、赤味を帯びた肌色と、他の人種に比べて恵まれた体格である。(その一方で魔力は低めだ)

サラム人の赤い肌は砂漠の太陽に灼かれた為だとか、火山の溶岩に灼かれた為だとか言われることもあるが、いずれも迷信である。サラム人の子供は生まれたときから赤い肌をしているのだから。


サラム人は主に砂漠のオアシスに村を作って暮らしていた。

その過酷な気候と恵まれた体格ゆえ、サラム人は肉体を鍛え戦士として修行を積み、外国へ出稼ぎに出るのが主な生活手段であった。そして子育ての為にサラマンディード地方に戻ってくるのだ。


アーキルの両親も典型的なサラム人であり、アーキルは他の多くのサラム人と同様に、オアシスの村で生まれた。

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