「すまん…アメリア」

　謝るアクアにアメリアは楽観的に言った。

「大丈夫よ。なんとかなるわ！　あ～あ、伝説の魔水士（ますいし）様でも現れてくれないかしら～」

「魔水士？　なんだそれ」不思議そうにアクアは聞く。

「――この町の言い伝えよ。(その者、水を操る剣士なり。邪悪を滅するその力は、人々に希望をもたらすであろう)　まあ、迷信だろうけどね…」

　アメリアは悲しそうに笑った。

　昼にアメリアは買い物に出かけ、アクアは宿屋で留守番をしていた。

　アクアが宿屋の軒下で椅子に座ってまどろんでいた時、突如矢が飛んできて壁に刺さった。

「なんだ、これは！？」

　矢に結ばれていた手紙を開くと、アメリアは預かった。殺されたくなければ、一人で町はずれの廃墟まで来いと何と、地図入りで書かれてあった。

「アメリア!!」アクアは、急いで廃墟まで向かった。

　◆

　町はずれの廃墟だ。建物がボロボロに朽ちており、不気味な雰囲気だ。

　アメリアは囚われて、バーンズ達と廃墟の中にいた。

「お前は、あの若造をおびき出す餌になってもらう…そして、借金の形に私の愛人になってもらいますよ……ぐっふっふ」

　嫌らしく笑うバーンズにアメリアはにやりと笑った。

「アクアさんは、ここには来ない！　昨日今日会ったのよ。もう、この町から出ているはずだわ。」

「この小娘えっ!!」バーンズはアメリアを平手打ちした。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい