引きこもり叙情詩
なりた供物
第1話
この世界は、地球を中心に回っている。
…それは当たり前の話だ。この世界は、プレジデントが回している
…これもちょっと違うな。とにかく、"自分以外"が回している。ずる賢くて、スゴイ奴が回している。僕には、ずるさも、スゴさも無い。だけれど、無駄なプライドと、家族からの借金はある。
…そんな事は置いといて、この僕は所謂"引きこもり"である。社会的にも、経済的にも地位は圧倒的に低く、毎日しょうもない事で喘ぎ苦しみ、しまいには、繰り返しの生活に危機感を抱いていない。とご教示を頂いたりする。そんな人生だ。
だから、折角文章にする力は人より多少はある(ない)のにも関わらず、人生経験と自己肯定感の欠如が災いして、小説サイトに投稿する事に恐怖を覚えている。自分で創作した話は、どれもこれも面白くない。一言一句面白くありたいという謎の完璧主義が、自分自身の心情を押し殺している。
しかし、流石に何か投稿しないとまずいよなぁ…と思った。話の原案が大量にある中で、たった数作しか世に出せない。筆は相当早い方なのだが、語彙が豊富なわけではないので、自分の作り上げた世界観と自分が描き切れる文章力がどうにも釣り合わないのである。
しかし、創作をしている以上、わざわざ辞書を引いて、これも違うあれも違うとわざわざ苦しみながらやりたくはないのだ。所謂ものぐさだ。だから碌な話が書けず、没になる。
以前、少々長めの話を公開した事があった。自分の中で3年近く熟成していたのもあって、思い入れのある作品だった。脳内ジャンプの掲載順だったら常に1桁で、3ヶ月に1回巻頭カラーをこなすほどの作品だった。パチンコのアルバイトをやっていた時代も、辛い時にはその作品を構想して、考えに考え抜いて公開した。
8PV、うち自分のが6だった。すっかり心が折れてしまった僕は、この作品を無かった事にしようとした。その時に精神を病んでしまい、ヤケクソになって散財を繰り返した。やはり理想と現実は程遠いのである。それを知れただけでも幸福だと、今は肯定できている。
ただただ苦しい人生だった。いや、過去形で描いたらこの人自殺するのか、と思われてしまいそうだから、過去形で書くのは禁忌だな、やめておかなきゃ。しかし、"苦しい"の部分は過去形にしたい。
昔から他人との干渉が苦手だったし、これも過去形ではない。眼球が怖いのだ。全てを見透かされている気がして怖いのだ。
そんなこんなで今は週2日の夜勤生活である。ただえさえ体質が弱いのにも関わらず、ストレスは際限なく湧いてくる。毎日体調を崩しながら、必死にお金を稼いでいるが、それでも僕は"怠惰"だとレッテルを貼られてしまう。まぁ客観的に見たら確実にそうなので仕方ないのだが…それでも、悔しい。ずっと悔しい。
そして、パチンコにハマって制御不能に陥った自分が憎い。今は全くやってないのだが、あれで家族からの信用も失い、後悔をした。大失敗だ。なぜパチンコで勝てると思っていたのだろうか。わからないが、それくらい壊れていた生活を、ここまで治せたんだ。きっと何だってできる。やっぱり一縷の望みに賭けたい。苦しいけど賭けたい。どれだけ不恰好でも構わない。
…そう言いながら、ゴロゴロしている。そんな引きこもりの叙事詩、人生録を…
どうか、聞いてくれませんか。
引きこもり叙情詩 なりた供物 @naritakumotsu
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