友人に単語を適当に貰って書いたやつ。
呼京
「かぼちゃ」「バラ」「パーティー」
さぁ席にどうぞ!
お茶にお菓子、はたまたお料理?
遊戯がお望み?ならばゲームを用意しよう!
カードにチェスに命を賭けた大勝負まで!なぁんでもござれだ!
おっとお召し物が気に食わなかったかな?さぁお好きなドレスにタキシード、メイド服や海賊服!斜め上がお好みならツナギなんかもお似合いだろうさ!
……どうしたんだいお客様?そんな鳩が豆鉄砲食らったような顔をして。
"訳が分からない?"
そりゃあそうだろうさ!何故訳がわかる必要があるんだい?わからないからこそわくわくが生まれるんだ。わからないからこそページを繰る手が止まらないんだ!気になるだろう?一体この先どうなるのか、一体"自分はなんなのか"ってさ。今分からないならわからないままで構わない。きっとそのうちわかるはず。きっとそのうち理解してしまう。頭のいい君ならばすぐにわかってしまうのかもしれないが、それはそれでつまらない。
ならば!
最大限の意味不明をお客様にご用意致しましょう!
一瞬。強く香った薔薇の香り。
あらまあ。ワタクシ達を見て顔を顰めているわ。
あらあら、お口をあんなに吊り上げて、お顔が砕けてしまうのでなくって?
まあまあ、ご自分の醜さをおわかりでないのかしら!
ワタクシ達に比べたら何もかもが醜いモノ!
見るのも嫌になってしまうけれど、でも!でも!お客様だからおもてなして差し上げなきゃ。
さぁ皆さん。一番美しい自らを輝かせて!
さぁ皆さん!その艶やかなドレスを心置き無く揺らして!
さぁ!皆さん!手を伸ばし、手を繋ぎ、いつまでもいつまでも踊りましょう!
囲め囲め絡め絡めもう逃げ場なんて無いのよお客様?ミシミシギリギリ楽しいワルツ!
痛い?美しいの間違いでしょう?
血?まあ!ワタクシ達とお揃いね!
苦しい?それは違うわ!タノシイよ!
絡んで絞めて傷つけて。でもワタクシ達お客様と楽しみたいだけなの。
そんな親切無下にすると言うの?なんて意地悪なのかしら!
あっそうそう、ねえ皆さんご存知?
何かしら?ワタクシ達踊るのも好きだけれどお喋りもだあいすき!
なんだか今日、かぼちゃのフリをした人間がいるんですって!
まあ本当!?
ええ本当よ!ワタクシ嘘はつかないわ?
かぼちゃの奴等に化けるなんて物好きね。あんなずんぐりむっくり重たい体。
カチカチで岩のような肌!
いつもぷんぷん気に食わない顔!
何もかもが醜い奴等!
でも人間はきっと素敵よね、会ったことある人いらっしゃる?
ワタクシ無いわ。ワタクシも無い。
お話には聞くのに中々いらっしゃらないものね……。
人間って、温かいんですって。
人間って、柔らかいんですって。
人間って、赤い花を咲かせるそうよ。
……ねぇ、私気づいちゃった。
なにかしら?
もしかして、
ねぇちょっと!このけたたましい音って!
やだわかぼちゃの奴等よ!きっとそうよ!
もう!嫌になっちゃうわ!顔を見ないうちに行きましょう!
地鳴り、地鳴り、頭まで揺さぶられるような轟音。ドタドタ響く幾つもの足音!
おう!イケすかねぇ花達の匂いがするな?
でもアイツらまた逃げていったんだろ?
意気地無しのお喋り女はピーチクパーチク喋る事しかしねぇからな!
お前も絡まれて大変だったろう?こんな茶会にわざわざ来ても面倒事しか起こらねぇぞ?
ま!食い物は甘くて美味いけどな!
ほらほら食え食え!お前さんに出されたもんだろう?
あん?やけに軽い音がするなお前の頭。
ちゃんと身詰まってないんじゃあねぇの!俺たち頭は悪いからな!
その中でも特上の馬鹿ってか!愉快愉快!お前の事気に入ったよ!
軽くて良い音響くしなぁ!
悪くねぇ!ほら、どんどん食え!
もうお腹いっぱい?なんだぁそりゃ、まだまだ足りねぇだろう?
俺たちは略奪強奪なんでも俺たちカボチャ族のモノ!がモットーだろ?
ここにあるくらい平らげちまわなきゃよ!カボチャとしての「ヒンイ」が疑われるぜ。
んなもんねぇだろ!なぁ新人!
……おい、強すぎたんじゃねぇの。ぶっ倒れちまったぞ?
おい!見ろよ、コイツ……!
嘘だろ!?
逃げろ!食われる前に!!
ドタバタドタバタ転がるように離れていく足音。
目の前に差し伸べられた真っ黒な手。
おやおや随分としてやられたみたいですねぇ!何奴も此奴も煩くて困ってしまいます。ま!それが取り柄なんでしょうけど!
さぁ、気づきましたか?ご自分の正体に!
こんなよく分からないところに迷い込んでは戻れない事もありますよ?
ほら手を止めて、残りのページなんて閉じてしまいなさい。こんな他愛もない物語なんて記憶の引き出しにしまう必要などありません。忘れてしまえ。その分新たな何かお宝に出会えますように!
捲った最終ページ。
さようなら。
ひと時のヘンテコに巻き込まれてしまった「あなた」。
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