やめてくれと叫びたかった


 黒い十字架が等に睨んでいた


 本に見る川の女神は居なかった


 黒い服の神父が怒鳴り風が吹き荒れ雲が揺れる


 積み上がる本に身を打たれ、蝋燭は溶け消え死


 空に火はなく日はなく灰がたちのめ


 雨すら奪ばわい静寂を貫いた


 白い羽の天人は昔から片鱗も見ず


 黒い耳の悪魔は海で居てしまい


 溺れているのかもしれないのに誰も聞き入らない

 

 掠れたピアノは不協和音を好み


 廃れた神殿に響き渡りし


 もう曇りし野原に僕は現れること無いのか


 あの音と雲を懐かしむて


 今消えるぼくの夢に大腕を

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る