19歳、優は何となくの焦りと期待を抱えて、
仲間とともに東京へ飛び込んだ。
仲間と笑い合い、
恋をして、家庭を築いて、
それなりに"うまくやれている"と思っていた。
でも――
東京は、立ち止まる者を置いていく。
雅は消え、
梨花との関係も揺らぎ、
気づけば、"自分の居場所"がどこなのかわからなくなっていた。
そして、ある日ふと気づく。
華やかな街の光の下で、
夢を掴む者もいれば、取りこぼす者もいる。
俺は、どちら側の人間だったのか。
手にしたものと、失ったもの。
彷徨いながら、それでも進むしかなかった。
都会の孤独と喪失を描く、切なくリアルな青春漂流譚。