第2話日常が壊れた日
科学研究施設に着いた頃の俺の記憶はない。
気がつくとよく分からない研究室の一室だった。なぜ連れて来られたのか。
何のために連れて来られたのか。
今の俺には知る由もない。
ましてや、あんな実験の被験者になるなんて、、
「やめろ!俺をどうするつもりだ!」
頑張って強がってみても
今の俺には抵抗する術なんてなかった。
すぐに羽交締めにされると、
よく分からない薬品を打たれて
気を失ってしまった。
俺を屈服させるのは、
きっと簡単だっただろう。
「Xさん、準備が出来ました。」
助手であるらしいRと呼ばれた男が、
注射器を持って部屋に入ってきた。
「それじゃあ始めようか。」
意識の遠くの方で声が聴こえた。
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