紫陽花屋敷─雨の降る日─

ことは

第1話 紫陽花屋敷 序章

 1996年 6月

 その日は朝からひどく雨が降っていたのをよく覚えていた。




 ──幼馴染の白崎紫しろざきゆかりがいなくなった。

彼女を最後に見かけた場所が紫陽花屋敷あじさいやしきだったと噂で聞いた。



 俺、水無優也みずなしゆうやは紫を助けるため紫陽花が狂ったように咲き乱れる不気味な屋敷「紫陽花屋敷」へと1人で向かった。







  







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