くねくね

帰り道に奇妙な物を見てしまった男は満身創痍で家に帰りついた

「ただいま」疲れきった様子でドアを開ける男

「おかえりなさい 貴方」妻は台所で夕飯の支度をしていた

「さっき 気持ち悪い物を見ちゃって」 台所にいる妻に近づき話始める男

「気持ち悪い物？」 料理を作る手を止め話に聞き入る女

「なんか 家のすぐ近くの公園を通り掛かったら

白い影のような者がいて」

「白い影？」

「うん 影というか人型のモヤのような物がいて変な動きしてたんだよ」

そう言いながらクネクネ動き出す

「やだ やめてよ 見間違いじゃないの？」

「確かに見たんだよ こうやって」

尚も奇妙な動きをする男 表情が段々おかしくなってくる

「ねぇ 貴方 大丈夫？」 その動きを止めようとする女

だが手は振り払われ

「アハハハハハ お前もやってみろよ楽しいぞ」

なにかに取り憑かれたように ずっとクネクネしている男

怖くなり男を突き飛ばし 外に逃げる女

外を出てスグ 街灯の下に白い影が立っているのが見える

クネクネと奇妙な動きをしながら女に近づいてくる

「お前もやってみろよ」その声に振り返ると

クネクネに取り憑かれた男が背後で奇妙な動きをしながら

ジリジリと女に迫ってくる