いけいけ勇者様52

最上司叉

第1話

そして勇者はいつものように暗黒の勇者と対決していた。


【ブォン】


【キィン】


【ブォン】


【ヒョイ】


「?」


この前勇者が暗黒の勇者の剣を折って以来暗黒の勇者は剣で受け止めようとしなかった。


暗黒の勇者の剣は一見直っているように見えるがそうでは無いのか?勇者は考えていた。


どうにか剣で受け止めさせることはできないか?勇者は考えた。


【ブォン】


【ヒョイ】


【ブォン】


暗黒の勇者が剣で攻撃してきたところに下から勢いよく勇者の剣をあてた。


【バキーン】


「!!」


また暗黒の勇者の剣が折れてどこかに飛んでいってしまった。


勇者はチャンスだと思い攻撃をたたみかける。


【ブォン】


【ヒョイ】


【ブォン】


【ヒョイ】


だが暗黒の勇者に全然当たらない。


またこのまま逃げられてしまうのか?そう思った時眩い光に勇者と暗黒の勇者は包まれた。


【ドゴーン】


勇者は凄い勢いで吹っ飛ばされた。


慌てて受身を取る。


体制を整え暗黒の勇者の方を見る。


辺り1面何も無くなったなかに暗黒の勇者は立っていた。


何が起きた?と勇者は訳が分からない。


「全然効いてないし」


「お前が手加減するからだろ」


「他に人がいたんだからしょうがないでしょ」


「まぁな」


「ところで兄ちゃん大丈夫だった?」


「…あぁ」


この2人は誰だ?と勇者は思っていた。


「それにしても兄ちゃん強いんだな」


「…ありがとう」


「良かったら協力してアイツ倒さないか?」


「!!良いのか?」


「大歓迎だ」


こうして勇者と誰か分からない2人VS暗黒の勇者という構図が出来上がった。


「じゃあ兄ちゃん適当に攻撃して」


「良いのか?」


「任せといて」


「じゃあ遠慮なく」


勇者は暗黒の勇者に切りかかる。


【ヒョイ】


【ズダダダダ】


暗黒の勇者が避けた方向に魔法が飛んでくる。


【ズドーン】


暗黒の勇者の足が止まる。


チャンスだと思い勇者は攻撃をたたみかける。


【ガキーン】


「!!」


初めて暗黒の勇者に勇者の攻撃があたった。


【ピシッ】


暗黒の勇者の顔を隠していた面にヒビが入った。


【ピシッピシッピシッ】


【カシャン】


面が割れて暗黒の勇者の顔が明らかになった。


見たところまだ若い。


「ギャー」


暗黒の勇者の顔が日にあたり苦しんでいる。


勇者と2人組は呆気にとられている。


暗黒の勇者の顔がみるみる焼け爛れていった。


「おい大丈夫か?」


【ガシッ】


勇者は腕を掴まれ後ろを振り返る。


2人組の1人が首を振る。


「離せ!」


「助からない!!」


「まだ分からない!」


「そういう呪いだ!」


「呪い?」


「あぁ奴らにはそういう呪いがかけられている」


「…」


「誰がなんのためにこんなことをしているのか分からないが終わらせるために私たちはここまできたんだ」


「そうだったのか」


「あぁだから兄ちゃんも協力して欲しい」


「協力したい」


「ありがとう」


「あぁ」


「とりあえず近くの街まで行きたいんだが」


「案内しよう」


そして勇者は2人組を連れて近くの街まで案内した。


その道中2人組から話を聞きながら。


俺は人間を実験台にして弄ぶ奴を許す気は無い。


裏で誰が手を引いていようが必ず倒す。


そう心に決め勇者と2人組の辛い戦いが幕をあけた。



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