正史編⑤ 孤独の病床
――これは、本来の歴史の物語。
◇
アリアは寮の自室で、ひとりベッドに横たわっていた。
諸事情で無理をしすぎて、こんなことになってしまった。
熱が出ていて、ひどく頭が痛く、身体中がだるかった。
お見舞いになど、誰ひとり来てくれない。
着替えも、栄養補給も、自分の面倒は全部自分で見なければならない。
どんなにつらくても、ひとりなのだから。
ひどく寂しかった。心細かった。
目を瞑れば、悪夢ばかり見る。
父が、母が、弟のカインが殺されたあの日を。
目の前で次々に子供達が殺されていったあの日を。
化物と呼ばれて追い立てられた日を。
独りで生きてきた日々を。
そして目を覚ましても、また独り。
不安で不安で、涙がとめどなく流れていく。
アリアを安心させてくれる者は、いない。
------------------------------------------------------------------------------------------------
※
本日は2話更新です!
引き続き次話もお楽しみくださいませ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます