瑠璃ヶ丘商店街の非日常
矢田水 灯也
〈だんご宝船堂〉の非日常 1
*
陽光の気配。本日の空模様と、各地の花の便りを伝えるニュースの声。
「やばっ、もう最悪じゃん」
そう呟くと希春はパジャマを脱ぎ捨てて、壁に掛けていたネイビーの制服に袖を通す。肩にかかる自慢の
「ちょっとお母さん! なんで起こしてくれなかったの! 初日から遅刻なんてしたら笑えないんだけど」
開口一番、母親に文句を垂れると、テーブルに用意されたトーストに母御手製のとびっきり甘い卵焼きを載せてかじりつく。希春は幼い頃から、母の卵焼きをトーストに載せて食べるのが大好きだ。
さりげなく自分の好きな食べ合わせが用意されていることに気づき、希春の中の母に対する怒りの炎がみるみる小さくなっていく。
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