15 【ビール】「ビールは苦い」というけれど
チラ裏の更新もなんと半年ぶり。いえ、書くことがない訳じゃあないんです。平日書けないんだから、こっち書く時間があるなら小説の方を書けと、もう一人の自分が言っていたもので(汗)
今年(2024年)は猛暑というよりもはや酷暑。思い出のおビール様について書きたい欲求が湧いてきているんですが、どうせ書くならその前段階からと考え、独断と偏見で書き殴ります。
およそ一般的に、「ビールは苦いもの」と思われています。だから好き、だから嫌い(美味しくない)、という方も多いのではないでしょうか。
しかし、ビールの最も基本的な原料は大麦麦芽、水、ホップです。そして「温かい濃いめの麦茶」をイメージしていただければおわかりと思いますが、麦汁は苦くありません。むしろ甘みすらあります。
そう、「苦い」のはホップなんです。
ここでイメージしていただければありがたいんですが、仮に「苦いエキス」があったとして、それを濃い麦茶と薄い麦茶に入れて飲み比べたら、どちらがより苦味を感じるでしょうか。
言うまでもありませんね。ビールが「苦い」のも同じことです。
では、「(比較的)苦くないビール」とはどういうものか。
A:麦汁を濃くする
本体の味が濃ければ、相対的にホップの苦味は弱まりますからね。その代わり、キンキンに冷やして喉に流し込む……というタイプのビールではなくなりますが。僕はこのタイプが大好きなんですけど、日本の夏向きではないですね(笑)
B:ホップの使用量を少なくする
実に当たり前ですねw 「苦いのがいいんじゃろがい!」という方には向いてないかな、やっぱり。
気候と歴史の関係で、ホップを潤沢に使うことができなかったスコットランドの伝統的なエールがこのタイプです。麦汁も充分な濃さがあるので、アルコール入り麦茶みたいな美味しさ(主観)がありました。あー、また飲みたいなスコティッシュエール。
C:ホップのタイプが違う
日本では一般的な、苦味>香りな「ビターホップ」以外にも、香り>苦味な「アロマホップ」や、両方の特徴を兼ね備えたタイプ(なんて言うんだろう)があります。
アロマホップは、もちろん種類にもよりますが、グレープフルーツなどの柑橘類を連想させる香りがして面白いですよ♪
D:ホップの使い方が違う
ベルギーのランビックという自然発酵型ビール(乳酸菌も含まれるので酸っぱい)は、数年保管して香りと苦味を飛ばしたホップを使い、抗菌性のみを利用します(ソース:『やる夫と飲むビール』)
ランビックは酸っぱい(二度目)
E:原料に小麦を使う
ビール本体の色が白~黄みがかり、香りと飲み口に爽やかな酸味を感じるのが特徴です。大きくドイツ系(ヴァイツェン、ヴァイス)とベルギー系(ベルジャンホワイト)に分けられます。
ヴァイツェンは、銘柄によって差はありますがバナナのような香り(エステル香)が特徴的です。
ベルジャンホワイトは、副原料にオレンジピールとコリアンダーシードを使用しているため、ヴァイツェンよりも柑橘風味とスパイシーさが強いです。
F:フルーツビール
先述のランビックを果汁で割ったり、ランビックに果実を漬け込んだりして作るビールです。真っ当に美味しいものから「不味いんじゃないけどキワモノだろこれ……」なものまで様々(笑)
余談:IBUについて
「苦味」を数値化した「IBU(International Bitterness Units)」という単位があります。
これに従うと、国内大手のスタンダード品のIBUは16~21程度だそうで。
一応の最高値は100となっていますが、理論上は100を超えられるらしく、実際にIBU4桁のビールも存在します(僕が飲んだことあるのは100+までですが)。
ただ、麦汁が濃かったりアロマホップを使ったりしたものは相対的に苦味が弱く感じるので、「IBUの低いビールの方が苦く感じる」という逆転現象が起きるのが面白いところかなと。
とりあえず、「ビールは苦い」という「常識」の反論としてぱっと思いつくのはこの辺でしょうか。
本当は「ビールは喉越し。味わうものじゃない」という言説にこそ反論したいんですけどね。それやると絶対感情的になるからなあ^^;
近況ノートだと画像も貼れるから、併用して銘柄単位で紹介することで間接的に反論するのがいいかな。
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