第5話 メイベルはいかにしてオーリィを養っていたか
日が暮れて、暗くなってくると、わたしに声を掛けてくる男たちがちらほらと。
この世界の通貨の1万は、日本円にしてもまぁ同じ1万か、もう少し安いくらいだった。
声掛け男たちは1・5万ほどか、もしくは、それ以上わたしにくれるというのだ。
貰いたい。くれるというのなら、くれ!
しかし、貰うとつまりその……スケベなサービスをせねばならないらしい。
――メイベルはなんと! パパ活嬢だったようだ……。
確かに、それが最も手っ取り早く稼げるのかもしれない。
でも、27年間、恋のひとつもしたことのないわたしにはとてもムリムリむうりいいい!
さすがにこわい! キモい! 知らないおっさんにグイグイ来らてこわっ! こわっ!
わたしに声を掛けて来る男たちに、もう引退しましたあああっ! と言うほかなかった。
「そっかあ、そりゃ残念。まだまだこれからが食べごろだと思ってたんだけどな。まぁ、若いうちしかできないことだし、それで金銭感覚バグって年取ってから泣くようになるよか全然良いんじゃないか。俺は応援するぜ?」
そう言った男は、20代後半くらいのよく見るとわりかし黒髪の似合うイケメンだった。
この新しい身体になってから、なにかやけに下半身のうずきが変わったなとは思ってた。
その黒髪イケメンは、このわたしにお金を払ってまで、致したい……とか……。
──わ、わわ悪い気しないっ!
わたしはすっかりショタ属性となっていたが、このイケメンなら良いかも……むしろ抱かれたい。お金なんかくれなくても。
わたしのうずきを満たして♡
「で、メイベル、引退するってことは、仕事何するか決まったのか?」
その男には不思議と警戒心を感じさせないような物腰の柔らかさがあった。
今までわたしに声を掛けて来た男たちと違ってガツガツギラギラしたものもなく、控えめ。
直ぐ顔に出る分かり易いタイプで、わたしは素直に答えていた。
「うん? とりま冒険者と……思ってたんだけど。でもLV20くらいまで上げるのに早くても半年以上はかかるから、何をしたらって……」
「ああ、お前さんて、幼い弟を養ってたんだっけな。……良いぜ? 世話してやっても」
うんうん! この黒髪イケメンとならパパ活してもイイ♡ ドキドキ……わたし食べられちゃううう!♡ きゃっ♡
「冒険者ってことなら、うちのパーティーに入るか? 3人パーティーだしな」
ガクり……。そっちか。
「うちのパーティー、みなLV40ほどだから、パワーレベリングして速攻でLV上げてやるよ」
パワーレベリング。
ネトゲだと、初心者にはやっちゃいけないものだったっけ。
TL(ティーンズラブ)マンガに例えると、いかにしてスケベな状況に至るとか、そんな重要なポイントが端折られ、ただスケベ描写しかないようなものかな。
そりゃあ、1枚のイラストでもものすごーくコーフンしてしまったりするものもあるけど、出来ればそのプロセスも愉しみたいじゃないか!
折角の異世界転生なんだ!
……でも死活問題。
しのごの言ってられないか。
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