16:20
彼女はほぼ生きてるときと変わらず、ただ舌だけが出ていて乾いていた。何度も舌を戻そうとしたけれど戻らなかった。
急いで首にかけてあったシャツを抜いて、救急に連絡した。
心臓マッサージを声を合わしてしてください。
生まれて初めて心臓マッサージをした。スピーカーで教えてもらいながらだったけど、自分が泣きちらしながらやっていたからほぼやり取りは記憶にない。
どのくらい心臓マッサージをしていたのか分からないけど、そのうちに救急隊員が到着した。
正直その時は誰が何を言っているか分からなかった。一緒に救急車に乗り病院に行く間も、彼女の親類、子供に連絡を取ろうとしていた。
病院についてすぐに呼ばれた。
これ以上は傷つけるだけなので治療は辞めます。親御さんか息子さん。親族に連絡取って下さい。
そう言われ彼女のお父さんに連絡した。我慢してた涙我慢してお父さんと話して決壊した。
子供とも連絡取り治療は終わりになった。
お父さんと子供は遠くにいるので、自分が死亡宣告を医者から聞いた。16:20だった。
バスから降りてまだ1時間ちょいしかたっていなかった。
家族室みたいな所で警察を待つことになった。
そこにはガラスで上半身だけ見える彼女が横たわっていた。
ただ固まってしまっているのか分からないけど、右側に顔を向けていてこっちを向いていなかった。
左首がこっちにあった。
その時に仕事中に左首が痛くなったのは彼女が俺に伝えたのかもしれないと思った。
あの朝話を聞いてれば。電話でももっと聞いてれば。そもそも仕事休んでれば。
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