夢をありがとう

生きる意味。死ぬ理由。

15:01

その日は今思えば朝、何か違和感を感じた。

睡眠薬等がなく、前日に電話で地元の医者と薬剤師に電話で言い合ってたのを見かけたから。

また眠れなくてイライラしてるのかな?程度に考えていた。

前日の寝る前もなるべく寝かせてあげようと、先に寝ている彼女のため、携帯の音量を出来る限り低くして動画を見ていた。


土曜日の休日出勤。

朝も起こしてもらい、お弁当も作ってもらい、靴を履いてハグをした。


カレーを作っておくね。


今考えると、目を合わせてなかったのかな?と些細な違和感が残る。


仕事に行き、午前中の休憩時間に長文のメールが来ていた。

すぐに電話したが、声は普通だったように思える。


考え過ぎないで寝れるときに寝な。酒飲んで軽く酔えば寝れるんじゃない?家の事は何もしなくていいから。寝れるときに寝な。夜ご飯は適当に買っていくから。帰ったら話そう。


休憩時間が終わりそうだったので、それで電話を切った。普通に聞こえるテンションでの返答だったので寝不足でイライラしてるだけだと思ってた。


お昼休憩前の11時前後、急に左クビが寝違えたかのように痛くなった。

同僚に見てもらったら赤く腫れているとの事。

なぜだか分からないけど凄く嫌な予感がした。

ただ首が痙っただけと言われればそれまでだし、仕事を早退する事でもない。

ただなぜか彼女の事が頭をよぎった。


お昼休憩になり、メールを開くと長文が何通か送られていた。最後の方はめちゃくちゃな文章で何を言いたいのか分からなかったけど、それを最後にLINEのアカウントを消してた。


電話も圏外。LINEのアカウントを消す事も初めてではないので、酒飲んで酔っ払ってめちゃくちゃな読めない文章を送って来たんだ。アカウントも消して電源も切ってんだろうと繋がらない理由を探してた。


何か落ち着かない感じで早めに仕事を終わらせた。

普段はバスを使わないのだけど、彼女の事が気に

なり15時1分のバスに乗って家に帰った。

バスだと10分、歩きだと40分ぐらいの職場なので毎日の行き帰りは歩いていた。

ただその日は早く帰りたくバスに乗った。


バス停から5分ぐらいで家に着く。

朝、彼女は今日カレーだよと言っていた。

鍵を開けた。

キッチンに明かりはない。

カレー乗った匂いが家の中に漂っている。

寝てるんだろうと思いベットを見てもいなかった。

なぜか焦り始め、嫌な予感しかしないまま、トイレとお風呂乗ったある廊下のドアを開けた。


彼女はトイレの外側のノブで首を吊っていた。



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