夫と浮気相手も転生しました〜夫と浮気相手が妻候補に⁉︎え?誰が夫?誰が浮気相手?それとあんたは誰⁉︎〜

清水柚木

第1話

抜けるような空は青く、柔らかい風は頬に心地良い。空の一番高い所に浮かぶ太陽の日差しは、暑くもなく、寒くもなくちょうど良いくらいだ。

庭園を彩る低木は瑞々しい青さを誇り、咲き誇る花々は美しく、鼻に届ける香りは芳しい。


(相変わらず広い庭園だわ、それなりにお金がかかっているから当然ね)


なんて思いながら目的のパーティー会場まで歩いていく。後ろには警護のための侍従。その後ろにはメイドが楚々と付き従っている。


(あの低木の刈込は見事ね。他もやらせてみようかしら)


人を見抜く目には自信がある。より良い人を、より適した仕事に就かせることは大事だ。適材適所。それができなければ上には立てない。


自画自賛しながら、現実逃避しながら歩いていくと、辿り着きたくない場所へと行きついてしまった。


できれば避けたいこの状況、見たくないと思いつつ、話したくないと思いつつ、それでも責務と我慢して愛想を振りまきながらガーデンパーティーの中心に向かう。


色とりどりのドレスを着た女性達は可憐な花の様だ。となると精悍な姿の男性達は、蜂に例えればよいのだろうか。


(下ネタか!)と一人突っ込みしながら、余所行きの笑顔を表情に張り付かせ、中央へと向かっていく。


中央には待っていましたと言わんばかりの三人がいる。


(あれ?ちょっと待って?)


なぜなんだろう。理由は分からないけど、なぜかそう感じる。


(は?うそでしょ?ありなの?意味わからないんだけど⁉)


そこには、元夫と元夫の浮気相手と思われる人たちがいた。

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