第8話「峠を越え」

命という人々の終わり

それを如何にして

やり切れたと言えるか

満足して死ねるか

それを我々は問い詰めなければいけない


人生にある

不遇や困難

それらを巻き添えに

壊れてしまい

病に落ちるのも

また人だから起こり得る

生命反応なのだ


だが生きるだけで

喪失を抱える

その混迷に

その刹那に

その憤りに


ただの一回の不始末で

諦めては

それは生きる事には値しない


生きる以上摩擦がある

そのガサつきを

受け入れ

なお前を見て

死を恐れない姿勢で

生に挑むことが


どれほど大切で

どれほどの意味があるか


それを知るのは

己の強い意志に他なく

病に伏していても


葛藤劇があれば

それは常人のそれ以上に

濃い人生なのだ


だから我々、健者は

死を厭わず

死を超える

生を実現せねばいけない


それ我々の殊勲である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る