日々
水無月
短編
よし、小説を書こう。
ふと、そう思った。
僕は無職いわゆるニートである。
そのため、時間が有り余るほどあり、することがないのだ。
ちょうどいい暇つぶしになると思い、すぐに行動に移す。
パソコンを開き、デスクトップにメモ帳を追加する。
アプリを使わないのは自分が機械音痴だからだ。
今度使ってみよう。
「こんなにメモあったっけ?」
10個ほどあったメモの一つを開く。
文字ひとつ書いておらず、まっさらである。
「まぁ後で片付けておくか。」
大事なメモがあった場合消してしまうと大惨事になってしまうため、後回しにする。
こういうところを治さないと就職はできないのだろうなと思う。
「あれ?何しようとしてたんだっけ。」
数秒考える。
「ああ、小説書こうとしてたんだった。」
今回は思い出せたが、僕はよく色々な物事を忘れてしまうことがある。
時には、数分前に考えていたことをわすれたこともあった。
これはやばいと思い、病院に行こうと思ったこともあるが、行くことを忘れてしまうのだ。
もう手遅れなんじゃないかと思ったこともある。
僕はネガティブな言葉は不幸を呼ぶとどこかで聞いた。
僕は長生きして幸せに生きたかったから、
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もミスをしたとしても、
『そんなこともある。』
とか、
『次だ次。』
という言葉を使うようにしていた。
他にいい言葉はないだろうか。ふと、疑問に思う。
三度目の正直?
だがこれは四度、五度の失敗には使えない。
数を増やしていっても、どこまでいったか忘れてしまう。
パソコンでウェブを開き、検索欄にカーソルを合わせる。
「前も検索してたっけ?」
検索履歴の1番上には、『ポジティブ 言葉』が表示される。
マウスをカチッとクリックして、1番上のサイトをひらく。スクロールしていって、ちょうどいい言葉を探す。
「あった。」
そこには、『失敗は成功のもと』ということわざがあった。
失敗は、その原因をつきとめて改善すれば、むしろ成功への契機となる。 という意味らしい。
次失敗したときはこの言葉を使おう。
「あースッキリした。」
よし、小説を書こう。
すぐにデスクトップにメモ帳を追加する。
「こんなにメモしてたっけ?」
日々 水無月 @askgo
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