シャッター〜カメラから映るもの〜
るい
とある都市伝説
最近、都市伝説で話題になっている、呪いのゲーム。
人知れず、勝手に現れて、ゲームをプレイすると呪われるという。
「呪われたゲーム? あるわけないだろ」
俺は休み時間、呪いのゲームについて思い出して、独り言を言った。
勝手にゲームが目の前に現れたら、それは物じゃなくて、生き物だろう。
「どうしたんだ、サトル?」
友人のシンゴが、俺に話しかけた。顔に、感情が出てしまっていたか。
「シンゴ、都市伝説で話題になっている呪いのゲームって、知っているか?」
「あぁ、知っているよ。なんか、そのゲームをすると、呪われるんだろ?」
サトルも、都市伝説で話題になっている、呪われたゲームのことについて知っていた。
「そうそう。実際に、そんなゲームあるのかなって思ってさ」
「ある訳ないだろー。誰かが、暇つぶしに流したデマだよ。デマ」
「やっぱ、そう思うか?」
「そうだろー。てか、次の教室に行こう」
シンゴに言われて、時計を見る。もうすぐで、授業が始まる時間だ。
「もう、こんな時間か」
俺は、次の授業に使う教材を持って、立ち上がる。
「サトルー。早く行くぞー」
準備している間に、シンゴは教室の出口に立っている。
「今行くー」
俺は、急いでシンゴの元に向かって、次の授業に向かった。
いつも通りの授業が終わり、高校から下校する。
ブロック塀で囲まれている住宅街を歩いて行き、コンビニを通り過ぎると、家にたどり着いた。
「ただいまー」
「おかえりー」
台所から母さんの声が聞こえた。
「兄ちゃん、お帰り」
「兄ちゃん、高校楽しかった?」
俺が帰って来たことに気づいたのか、双子の弟である、ユウとリンが玄関まで、出迎えてきてくれた。
「ただいま。高校楽しかったぞ。ユウとリンは、小学校楽しかったか?」
「うん、楽しかったよ!」
「お兄ちゃん聞いて、ユウが牛乳を二パックも飲んだんだよ。すごくない?」
「二パックも飲んだのか。すごいな」
「えへへー」
「あ、そうそう。夕飯そろそろできるみたいだよ」
「わかった。着替えてからいくよ」
俺は、靴を脱ぎ、二階に上がる。
「なんだ、このゲーム?」
机の上に見たことないゲームがあった。こんなゲーム持っていたか?
「題名は『シャッター』ホラーゲームみたいだな。ホラーゲームやるけど、こんなゲーム買ってもらった覚えがない」
父さんが、やっていたゲームが混ざったのか?
「サトル。ご飯よ!」
「着替えて行くー!」
ご飯食べている間にでも、聞いてみるか。
俺は、制服を脱いで部屋着に着替え、下の階に降りた。
「いただきまーす」
ご飯を茶碗に盛って、食事を始める。今日の夕飯は、ハンバーグだ。
「ねぇ、母さん」
「なにー?」
「俺の部屋にゲーム置いた?」
「ゲーム? 置いてないわよ。お父さんが、置いたんじゃない?」
やっぱり父さんが、ゲームを置いたのか。父さんは、自分が面白かったゲームをやってほしくて、俺の部屋にゲームを置いてくることがある。
だけど、父さんは、ホラーゲームが苦手で、やらないゲームのジャンルのはずだ。
「お兄ちゃん。ゲーム買ったの?」
「やらせてー、やらせてー」
俺と母さんの会話に、双子の弟が反応をしてきた。
「トイレ行けなくなっても、いいのか?」
俺は、笑みを浮かべながら言う。
「え、怖いゲームなの?」
ユウが、怯えた表情をする。
「とっても、怖いゲームだぞ。夜に、お化けが来るかもしれない」
「絶対やだ!」
リンも、怯えながら言う。
「こら、サトル。ユウとリンを怖がらせないの」
「ごめんて、悪気はなかったんだよ」
このぐらいの年齢は、なんでも信じる。つい、いろいろと吹き込みたくなってしまう。
「父さんは、今日から出張だっけ?」
「そうよ。三日間って言っていたから、帰ってくるのは、明後日の夕方か夜じゃないかしら?」
父さんに聞きたくても聞けないのか。
「わかった。ありがとう」
寝る準備をすませたら、ゲームをやってみるか。
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