ソシエダ龍

第1話

あるとき、小さな町に住む少年がいました。彼の名前は太郎といい、幼い頃から冒険に憧れる心を持っていました。


ある日、太郎は町の古い図書館で、伝説の宝物が隠されているという噂を耳にしました。その宝物は、200年前に失われたとされる宝箱で、中には貴重な宝石や古文書が入っていると言われていました。


太郎は興奮で胸が高鳴り、一人で勇気を振り絞って調査を始めることにしました。図書館の奥深くには、かつて富裕な商人が所有していたと言われる豪華な洋館がありました。洋館の中に宝箱が隠されているとの情報を得た太郎は、一刻も早くそれを見つけ出したくてたまりませんでした。


ところが、洋館はすでに廃墟となっており、危険な落石や崩れた床など生活の危険を孕んでいました。それでも太郎は警戒しながらも、古い手帳に記されたヒントを頼りに進んでいきました。


太郎が辿り着いたのは、洋館の地下室でした。暗闇の中にひっそりとたたずむ扉を押し開けると、そこには輝く宝石が納められた美しい宝箱がありました。太郎の心は踊り、幸せな笑顔が彼の顔全体を照らしました。


しかし、宝箱を手にしようとする瞬間、突然地下室の扉がバタバタと音を立てて閉まってしまいました。太郎は慌てて扉を開けようとしましたが、どんなに力を込めても動きません。


心細さに包まれた太郎ですが、冷静さを取り戻しました。彼は宝箱のヒントに「希望の光」のことが記されていることを思い出しました。そこで太郎は懐中電灯を使って明かりを灯し、地下室の壁や床を探索し始めました。


次第に太郎の目に異変が現れました。壁に映る光が、宝箱の形を浮かび上がらせているのです。それを追い、太郎がたどり着いた場所には、壊れた壁の先に外の世界を照らす太陽の光が差し込んでいました。


太郎は穴から外に出ることができましたが、手には宝箱はありませんでした。しかし、彼は失った宝物よりも、克服した困難と得た成長を重んじました。


太郎は希望を持ち続け、新たな冒険へと向かう決意を固めました。そして、次の旅が彼に待ち受ける未知の世界へと太郎は歩き出すのでした。

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ソシエダ龍 @Totoro_764

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