エタリストのパラソル 〜この小説書き終わったらクラス一の美少女が付き合ってくれるらしい〜

一七六迷子

第1話 代作が頼みたい(BY夏目漱石)

 もうやめにしましょうよ!!!

 もうこれ以上エタるの!!!

 やめましょうよ!!


 時間がもったいなーい!!


 受賞無理だと分かっているのに!!

 プロットない小説を書き続けて!!

 止められる夢に欲をかいて……

 今、過ごせば充実するかもしれない時間を捨てて!!

 その上にまだ駄作を増やすなんて


 今らから小説を書こうとしているこの時間は……まるで!!!

 バカじゃないですか!!?


 とまぁ、また僕はつまらぬ時間を過ごしてしまったわけで。

 この世界には不法投棄を取り締まる法律がある。瀬戸内海などにゴミを捨てたら当然、日本国の法律によって裁きがあるわけで。だけれどもネットの海に、つまらぬ小説……駄文を捨てても不法投棄にはならず不労放置。


 そもそも、もしネットの海で余計なゴミを捨てないように。なんていう法律が出来てしまったら、日本の刑務所の数が、マクドナルドの店舗数と同じくらい必要になってきそうで。おっと、失礼。あっ、ちなみに僕がネットゴミ不法投棄罪があるとしたら、もう既に2回ぐらい死刑になっている。


 ともあれ、僕はネットの海にゴミをまた不法投棄をしようと思います。あっ、つまり今書いている小説をエタろうと考えている。

 その理由はいくつかある。


 まず、アイデアが枯渇した。僕は恋愛小説を書いていた。しかしプロットを書かずに書いたのが祟ったのか、途中主人公が棒たちになってしまった。困ったものである。キャラ全員がエンストをしてしまって動いてくれない。

 取り敢えず動かそうとするために、ヒロインを明日死ぬかもしれない大病にさせた。コイツ何を言っているんだと思うだろう。しょうがないのだ。それしか方法がなかったのだ。


 しかしヒロインが大病になったというのに主人公は「うわー大変(棒)」とやはり動いてくれない。だから結局作者(神)の力でヒロインの病気は何とかした。それじゃ、恋愛小説困った時の必殺技。ライバルキャラを増やす。


 ライバルキャラを増やしていく。どんどん増やしていく。しかしその増やしたキャラ達はRPGの村人のように同じ事しか喋らず、何もしない。ただただ、人数だけが増えていく。


 その時の登場人物の名前は全員、山手線の駅の名前を使うようにした。しかしまさかの山手線の駅全て使い果たしてしまった。だから途中から京浜東北線の力も借りることにした。


 とまぁ、それだけでどれほど駄作か分かっただろう。


 エタる直前ではもう自分でも何が何だが分からなくなってしまった。


 あと、もう一つの理由。それを話す前に、この地球上で一番貧富の差が激しいのはどこか知っているだろうか。

 アメリカ? 中国? その他の国? ノンノン。答えは投稿サイトである。


 特に小説投稿サイトのような場所。ある特定の人たちが評価を集めている。その下に何万もの貧民がいる。ネットの海ほど酷い格差社会はないと思っている。


 そうしてそれこそが僕がエタッたもう一つの理由である。

 要は誰も読んでくれない。


 何と、7文字を書いてPVがたったの20。流石にこれは心が折れた。

 そもそも僕が小説を書いているのは、誰かに読んで欲しいから。つまり誰も読んでくれない小説を書く余裕というものがない。そうやって僕は、今まで何十、何百もの小説をネットの海へ、ポイッと捨ててきた。


 さてここからは僕の引退会見になる。

 僕は小説業から引退をしようと考えております。理由としましては、私は女の子にモテるために小説を書いているのに。誰も見てくれないのです。だから引退をしようと思います。


 そもそも僕に小説を書くことは無理でした。

 何故無理なのか。それは私がニヒル的人間。つまり感情がないのです。あっいやいや、そんな厨二病なあれではなくて。

 僕は恋というものを知らない。神に誓って女子に恋をしたことなどない。また女子と仲良くなろうとしたことがない。えっ、先ほど女子にモテるために小説を書いていると言ったくせにと。ハイハイ。後で質問タイム設けますので記者からの質問はそこでしてください。


 本当です。僕は恋をしたことなどない。また花などを見ても綺麗だとか何も思わない。そんな人物なのですよ。もしかしたら僕の適正仕事はデスゲームの管理者かもしれない。何だがそう思えてきた。


 とまぁ、ともあれ。私には感情がない。そんな感情のないやつが小説を書こうだなんて。それは無理な話で……うん。そもそも学校終わって、ようやく自分の時間が来たのに、どうして頭を使わないといけないんだ。辛い思いをしなければいけないんだ。実に馬鹿馬鹿すぎる。そう思わんかね。読者諸君。そうして家で辛い思いをして書いた小説が、誰にも読んで貰えずに。悲しいよね。


 とまぁ。こんな感じ。そんな理由で僕は小説業を引退します。お疲れ様でした。

 さて、皆さん。どうやって小説サイトを退会すれば良いのですか。教えてください。

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