好きです、結婚してください。

みるくもち@

高校1年生

昼下がりのプロポーズ


「好きです、結婚してください」


真夏、気温は33度。天気は晴れ。


暑さによる幻聴がした。


「そろそろ帰ろっか」


「え、聞こえなかった?それとも脈なし?」


「はい?」


「あ、それとも膝もついてロマンチックなのをご希望なのか」


「いや、なんのこと」


「好きです、結婚してください」


はっきりと聞こえた。間違いなく高橋タカハシの声だ。しっかりと膝をついて、片手をこちらに差し出して、真っ直ぐな視線が刺さる。


「えっとー、なにこれ?」


「まだ伝わんないの。ナギのこと好きだから結婚して欲しいって言ってるんだけど」


「いや、分かんないって。何、なんかのドッキリ?」


「そのまんまなんだけど。信じられないって言うなら証明してあげよっか?」


端正な顔が目の前に迫る。し、視線が痛い…。


「あー、ちゃんと意識してくれてはいるのね。照れてんじゃん」


「は、え、いや…て、照れてない」


「嘘ついてんのバレバレ。顔が赤い」


そんな至近距離で覗かないで。恥ずかしいし怖い。怖いです。


「やっぱ可愛いわー」


え、なに今の。そんな笑顔初めて見たんですけど。誰、怖い、どうしよう高橋相手にときめきかけたどうしよう。


「どうする?このままハグしちゃう?」


どんどん近づいてくる高橋。頑張ればキスできる距離。恥ずかしすぎて涙出てきそう。


次の瞬間、高橋の胸が頭に当たった。そして、大きな手の温かみが背中に走る。やばい、泣きそう。


「え、あ、もしかして恥ずかしくて泣いてる?え、可愛い。やばいどうしよう」


なにやら悶々としてる高橋を最後に記憶が薄れ、気付いたら自分の部屋に居た。


イメージソング:ヒロインは平均以下feat.涼海ひより


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る