ため息

ため息が

重く曇ったため息が

凍える街を蒼く染め

永久に還らぬ灰となり

絶えることなく降り積もる


街は静寂に満たされて

北風以外語るものもない

青く霞む灯が、時折寂しく揺らめくけれど

空気は少しも震えない


あれから街には朝が来ない

いつでも狂気の夜明け前

虚しい幻影が淡く浮かび、冷酷な優しさを映し出す

小雪のように繊細で

夕陽のようにあまりに哀しい

ため息を


巡り巡る星の中

変わらぬ因果の応酬に

時の流れは速すぎて

それでもあの日のため息は

今でも響きだけ残して

小さな街を彷徨い続ける

終わらぬ時に縛られて

皮肉な因果に囚われて

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る