捨て台詞

久田高一

捨て台詞

夕餉の席で黙々と、

呑んだ白身の一欠片。

欠片はこまいたくさんの、

魚となって血を泳ぐ。


魚はいずれ消化され、

僕の一部となるだろう。

目には見えねど魚たち、

表皮の裏に満ち満ちる。


そういうものだ、去る君は。

僕の血潮に漂って、

残る魚となったのに。


恋の終わりの先々で、

忘れることが出来ぬほど、

僕の一部となったのに。

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捨て台詞 久田高一 @kouichikuda

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