私という名のレール

ふるなる

私という名のレール

いつものように走ってる

暗闇に敷かれたレール上

私はこのレールを作ってない

全て誰かが作ったモノ


ペンだって 靴だって 服だって

地面に敷かれたコンクリートって

私のモノじゃないんだよ

家に至る全てのものも

私のものじゃないのよね


いつものように生きている

「一般的」象るレール上

私はこのレールを決めていない

「言われるがままに決めたもの。」


「お願いです。どうか。」

私に権限をください。

願ったらどうか?

きっと無意味だよね、分かるの

傷つけるだけで終わる未来なら……

消化──



ペンだって 靴だって 服だって

金で利権を得て使えるもので……

私のモノじゃないんだよ

家に至る全てのものも

親のものでしかないんだよ

私のものじゃないのよね


「お願いです。どうか。」

私に権限を下さい。

進路を変えるレバー

ずっと悩んでみても、分からないの

親の権限で成り立つ私なら…

そうか──


親の権限に従うべき……ね?



レールの先がどんなに苦難な悪路でも

自分だけしかいない世界線で

自分が選ぶのなら後悔はしない

レールの先を変えた…なんて言ったら

あなたは悲しむでしょうか嘆くでしょうか

悲しむのなら私は後悔するかも



選びたいよ。

選べないよ。



いつものように流れに沿う

数十年歩んだレール上

私はこのレールの先を決めたい

未来は見えてないけどね


「お願いです。どうか。」

私に権限をください。

世界は誰のもの?

身の回りのものは私のモノじゃない

私の進路も私のモノじゃない?

それでも選びたいの

どうか──

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私という名のレール ふるなる @nal198

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ