第40話・チームシンドバッド3[その気持ちの理由]

「で、イケメン兄さん方。ワイに何の用??」

「テメー騙しやがってな!」

アーズさんがアブーに掴み掛かる。

「いやいや騙してなんてないわ。ワイはアブーとはどんな方?って聞いただけやで〜」

「よし殺す」

「ダメだよぉアーズ君」

「そうやでダメやでタレ目兄さん♪ん〜髭もカッコええなぁ、好みやで♪」

「よし殺す」

「だからダメだってぇ」

「でも、見つかって良かったな。早くコイツ連れて帰ろう」

「連れて帰る?ホンマに兄さんら何者?」

目の座ったアーズさんを宥めて、シンドバッドさんが事情を説明する。

「あー!あー!その事か!アハハハ!アルさんの使いなんやね、君ら!アハハハ!」

「何がおかしいんだ?頭ヤバいのか?」

心の中で何がおかしいんだ?頭ヤバいのか?と思いながらバイオさんが聞いた。

「ヤバない、ヤバない!いやヤバいかな?アハハハ!」

「いやヤバいだろ」

「ヤバくてもどっちでも良いからよ!さっさと連れて帰ろうぜ!」

「という事なんだぁアブー君一緒に帰ろうぅ」

「いや〜兄さん方の話聞いたらまだ帰れんわ」

「どういう事??」

「ワイが帰らへんとアルさん、ワイの事ずっと考えてるんやろ。ええやん、ワイの思った通りの展開や!」

「は??」

「何言ってんだ?」

「つまり、教王がずっと自分の事想うようにワザと帰らないとぉ」

「おぉ兄さん話が早い!頭ええやろ」

「なんだそりゃあ??そんなのが良いのか、お前」

そう言ってアーズさんがアラックを飲む。

「思い人がずっと自分の事考えてるなんてゾクゾクせえへんか?」

「歪んだ愛だな。ボクには分からん」

誰もツッコまない。

「と君の愛の形は分かったけどぉ。これは友人からの約束でもあってねぇ、どうにか一緒に帰ってくれないかぃ?」

「ん〜そやなぁ・・・・うん!兄さん方の想い人について話してくれや!そしたら帰るで!」

「はぁ??そんなん聞いてどうすんだよ?アラックおかわり」

「参考させてもらうわ。あとは人の恋愛話聞くの趣味やねん」

「・・・・うん、なるほどぉ。じゃあバイオ君からぁ」

「オイ何がなるほどなんだ?そして何でボクからなんだ。仕方ないな、話してやろう」

「ノリノリじゃん〜」

「ボクのご主人様はそうだな、全ての液が甘いと思う!早く舐めたい!」

アブーはウンウンと頷き言う。

「この子ヤバない?」

「ヤバいよぉ」

「まぁ趣味嗜好は人それぞれ!相手がそれを受け入れてくれればそれでええんや!」

「受け入れてはいないんだよ」

「じゃあ次はヒゲの兄さん!」

「あ〜!?何でそんな事言わなきゃなんねぇんだよ」

「アーズィム君そう言わずにぃ」

「嫌だね!俺と我が君の事は俺達だけの大切な事なんだ!」

「アーズィムは意外とロマンチストだな」

「んだと!バイオ!」

「じゃあヒゲの兄さんはその我が君を何で好きなんや?」

「何で・・・?」

「・・・何でなんだぃアーズィム君?」

「俺は我が君が・・・・理由・・・・なんてない・・・」

「そっちの前髪兄さんはどうや?理由」

「理由・・・・」

思考の停止か、二人の言葉が止まる。

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