第32話
神の・・・力。
確かに転生系だと神に力を貰うのがデフォルトだけど。
改めて説明されると異様だ。
漫画、小説、アニメとかだと当たり前とか、ギャグっぽく使われてるけど。
実際目の前にして、自分で使うと恐ろしい。
相手を自分を好きにされるなんて。
その人とその周りの人の人生にもかなりの影響を与える。
でも、俺はこの魔法の発動方法すら知らない。勝手に発動してる感じ。
「神の力なら私にも解除する事は出来ない。それは七つの海時代に経験してる」
「・・・・・・」
俺は何も答えられない。
「解除するには魔法をかけた者を殺すのが良い。これが一番確実だ」
!!?
「そ、それも七つの海時代の経験ですか?」
「そうだよ」
死んだ。終わった。さっきのバイオさんの仲間のように瞬で殺されるんだ。
暑くないのに大量の汗が出てくる。手足が震える。喉が渇く。身体の中から頭のてっぺんに何かが抜けるような感覚が襲う。
「私の考察、目的は話したぁ。次はクロちゃんの番だよぉ。君の秘密は何?」
まだ殺されない?確信がないから?
なら確信を持たれたら殺されるな。
どう答えるのが正解だ!?
ほぼほぼ当たってるんだよね。そうですって答えたら終わる。
でも、半端な嘘は通用しなそう。俺そんなに嘘上手くないし!
死にたくない!死にたくない!死にたくない!俺だってしたくてした訳じゃない!解除出来るならしてるし、したい!
もう話して楽になるかな。
話さなくても強制的に話させられそうだけど。
・・・・ん?
「シンドバッドさん・・・・」
「何?」
「真実を話させる魔法とかあるんじゃないですか?あるなら何で使わないんですか?」
「・・・・・・」
「それに殺せば魔法が解除されるなら、すぐに殺せば良い。それをしないのは何故ですか?」
「何が聞きたいの?」
「シンドバッドさんは俺に何をさせたいんですか?」
「そこまで分かって、この状況でよく聞けるねぇクロちゃん」
ミスったか!?でも違和感!
そんな魔法があるならここまでして聞くのはおかしい!
もう賭けだけど!
「確かにそういう魔法はあるよぉ、条件が難しけど使えないわけじゃない。それに殺す選択肢もある」
「じゃあ何で?」
「欲しかったのはクロちゃんが本当に神の力を使ってるかの確証。魔法なんて使わないで君の言葉で真実が聞きたかったぁ。何故なら・・・・」
「な、何故なら・・・・?」
「真実の愛を掴みたいから!!!!」
・・・・・何だって?
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