第21話
「アラジン、私は全てを話すよ、私達の事も全て。それがクロちゃんへの信頼の証だ」
「はい・・・・」
「まずはぁ私とシンドバッドの出会いだ。10年前、まだ先代の王が居て私がただの王子だった頃。若かったからね、自由に生きていたんだ」
10年前、というかこの人達いくつなんだ?
ただの王子ってパワーワード。
自由なのは今もそう見えますけど?
という一つ一つにツッコミが出てしまう。
「ダメだぁ!」
急にシンドバッドさんが卓に突っ伏した。
「どうしました!?シンドバッド様!」
アリババさんが即座に声をかける。
「いやぁどうも長々話す流れになってしまう。誰も私の過去編とか興味ないよねぇ。興味ある人は感想くださいぃ」
「メタ発言ですよ。それに俺は超興味あります!」
「アリババありがとうぅ」
「良いからさっさと話せよ!」
アーズさんがツッコミを入れる。
「ヒゲ!だからタメ口止めろってんだ!!」
それにモルジアナさんが噛み付く。
グダグダだ、どうしたもんか。
「要するに、10年前私とアラジンは出会い。恋に落ちた。それでお互いの願いを叶える為に何でも願いの叶うと言われる千夜一夜物語を探してるって訳ぇ。以上」
えー!!あっさり終わったー!!
というか、恋に落ちたって。
「アラジンさん」
俺はアラジンさんを見る。
「・・・細かい所を省くと今シンドバッドの言った通りです」
「あの、シンドバッドさん。願いって言うのは?」
「自由」
「じ、自由・・・・」
「私達は2人で身分も何も関係なく、ただ幸せに暮らしていきたいだけなんだ。そうだったろぉアラジン」
「はい・・・・」
静寂。特に他の皆んなは意見はないのかな。
俺としても特に問題はない。
というかこれ一番邪魔してるの俺だし!!
俺の魔法がアラジンさんとシンドバッドさんの邪魔をしてる。この魔法の解き方は分からない。
・・・・なら、シンドバッドさんには悪いけど、先に千夜一夜物語を見つけて願いで魔法を解いてもらう!
シンドバッドさんの自由はーまぁあとで考えよう!
まずはアラジンさんの魔法を解かなきゃ!この魔法にかかってる限り自由を手にしても何も進まない!
「シンドバッドさん、協力します!」
「おぉ~ありがとうぅクロちゃん!」
そこにアーズさんが入ってくる。
「まぁ俺とバイコは我が君が進む方へ一緒に行くだけだ」
「全然会話分からなかった!」
「いや、天使!考え直してください!千夜一夜物語を探すのはとても過酷で命の危険もある!」
「・・・・これはアラジンさんの為に俺がしたいんです」
「天使が、僕の為に・・・?嬉しすぎます!!」
抱きついてくるアラジンさん!
これ、アラジンさんとシンドバッドさんが恋人同士って状況知ってからだと精神負担半端ないんだけど!!
「いやいやどぉしてこうなってるんだろうねぇ」
「シンドバッド様、今は抑えてください。事が終わればいかようにも出来ます」
「そうだねぇ」
こんな会話があったなんて知らない俺達は明日から千夜一夜物語を探す旅に出る。
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