第20話
「・・・そうだねぇ。確かにそう」
納得してくれた!これで少しは時間が・・・・。
「いえ、話さなくて大丈夫です!」
アラジンさん?
そう言うとアラジンさんは俺の元に来て俺を抱きしめた。
「!?!?」
「無理をさせてすみません、天使」
「な~何してんだよ!アラジンてめー!」
次はアーズさんが混乱中の俺と抱きしめてきた!
「俺も!俺も!」
とバイコさんが続いて同じ事をしてくる。
俺は更に混乱した。
訳もわからず自分に攻撃しそうだ。
「なんだこりゃ」
モルジアナさんが代弁してくれる。
「天使、僕らの事を考えてくれるのとても嬉しいです。が、天使は自分の事だけ考えてください」
「いや、でも!俺の答えで皆んなが!」
「天使、僕らは天使に守られるより天使を守る存在になりたいんです」
「おお、それには同意だな!好きな人は守らなきゃよ!」
「誰か訳してくれ」
「お前は我が君をどうしたいって話!」
「それは×××して×××だな。それに」
「欲望の話はしてねぇよ!守りたいか守られたいか!」
「それは守りたいさ、大切な人だ」
「そういう事です、天使。だから貴方のしたい事してください」
涙が出そうになる。
こんなに考えてもらえた事があっただろうか。それをこんなに伝えてくれた人たちはいただろうか。
これがニセモノの気持ちだとしても涙が堪えきれない。
「天使」
「我が君」
「マスター」
これがニセモノの気持ちなら俺がするべき事はこの人たちを元に戻して、幸せにする事!
「俺は・・・・皆んなが幸せになる事・・・それが良い!だから・・・」
俺はアラジンさん達から離れる。
「シンドバッドさん、改めて言います。話を聞かせてください。それから判断します!」
「クロちゃん・・・同じ言葉だけど重みが違うねぇ。それに目が違う。」
「天使!」
「大丈夫です、アラジンさん。大丈夫」
「皆、武器を下ろしてぇ。宴の席じゃ話に合わないねぇ、モルジアナはお茶の準備を。カシムは花の間に円卓を用意してぇ。アリババは~大人しくしててぇ」
「「はい!!」」
カシムさんとモルジアナさんが大広間を出ていく。
直立不動のアリババさん。
「クロちゃん、場所を変えて話をしよう」
「アーズさんとバイコさんも一緒でも大丈夫ですか?」
「当然。こっちもアリババ、カシム、モルジアナを同席させるぅ。それ以外の親衛隊、兵士はなしにするから」
「はい、じゃあそれでお願いします」
それから30分くらいで準備は完了して、俺達は花の間と呼ばれる先の先まで花で囲まれた部屋に案内される。広さは花で全然分からない。
部屋の真ん中には円卓。その上にアフタヌーンティーの様なお茶と見た事ないお菓子が並ぶ。
俺達は円卓に座る。
円卓には俺、アラジンさん、アーズさん、バイコさん、シンドバッドさん、カシムさん、アリババさん、モルジアナさん。
モルジアナさんが全員にお茶配り終えると俺の向かい側に座るシンドバッドさんが言う。
「じゃあ話そうか、全てを話そう。これまでの事とこれからの事」
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