第4話・2人目、3人目
何がどうなったかは分からない。全然分からない。
「お前よくも邪魔したな・・・・・!」
「邪魔なのはそちらです。僕はちゃんと言いました」
「お前も殺すぞ!!」
「賞金稼ぎじゃないんですか、僕に賞金はかかってません」
「うるせぇ!!!!」
めっちゃ切れてる~!目血走ってるもん!右手を挙げたまま俺は賞金稼ぎを見る。
そして次に店員さんを見る。こんな時になんだけどやっぱり美形な店員さんだ。
何て思っていると挙げたままの右の手のひらからあの時の魔法陣が現れた。魔法陣はあの時と同じようにピンクの光を発した。
「おおおおおおおおおおお!?」
「魔法陣!?」
「あのガキ、マジか!」
「マスター!!」
光は店全体を包む。最初の時は全然余裕なくて分からなかったけど、何というか心地良い暖かさの光だ。
約15秒程光り、魔法陣は光と共に消えた。
で、今度は何が起きる?あの時と同じ状況じゃない。人は沢山いるし、俺が誰かを相手している訳でもない。
「・・・・・・・・・・・・」
何も起きない・・・・。光っただけか!?ダメだったのか!?何が正しいかは分からないけど!
色々考えていると目の前の景色が変わった。理由は俺をお姫様抱っこしてる店員さんが反転してその場を動いたからだ。
そしてその場を離れようとしている。
「おい!どこ行く気だ!?」
それに気付いて賞金稼ぎが声を上げる。
「その人置いてきな!」
その人?誰??
「この人に何か御用で?」
「おお、俺はその人に尽くして愛されてぇんだ!」
アイ?あい?愛!?
「そうですか・・・・僕もです」
ボクモデス??
何だどうなってる!?でも似てるバイコさんの時と!この二人だけか!?他の人はーーーうん!変わらずざわざわしたりしてる!
「おい!マスターをおろせ」
店員さんに剣を向けるバイコさん
「・・・・何言ってるか分かりません」
「その賞金首はその人おろせって言ってんよ」
「嫌です・・・・とお伝えください」
「俺は通訳じゃねぇぞ!」
「そうですか・・・・・」
また俺の景色が変わった!店員さんそのままダッシュ!!
「わーーーーーーーーーーーーーー!!?」
「大丈夫です、幸せにします!」
と走りながら俺に笑顔を向ける。いや~今の所そんな感じ全然しなけど~!?
「マスター!!」
「待てコラァ!!」
追いかけてくれるバイコさんと賞金稼ぎ。
俺は~ダメだ~腰が抜けてる~この状態から何も出来ない~。
「あの!な、何で急にこんな事を!?」
「・・・・何故と言われると分かりませんが、一つ言えるのは僕はあなたが好きなんです!」
「友達?」
「いえ恋人で」
人生(転生前も入れて)で初めて告白された・・・・。相手は男だった・・・・。
相手が美形だからか、嫌な気持ちはない。が、どうしたら良いか分からない!
フリーズしてる間に店員さんは店を出て、大通りを激走!
ハッ!フリーズしてる場合じゃない!考えろ!何でこんな事になったのか!いや~原因はぁの魔法陣でしょ。
バイコさんの時とこの店員さん。そして賞金稼ぎの言葉・・・・考えられるの、こんな事ありえないけど!ここは異世界!考えられるのは・・・・・。
あの魔法陣には性別関係なく人を俺に惚れさせる力がある!!
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