第5話 紹介状の依頼
翌日の夕方。
仕事を片付けてから、脳外のクリニックへ事情を説明しにいった。
緊急性が無いとはいえ、痛いのは辛い。なにか解決方法が欲しかった。
当然のことながら、クリニックのT先生はちょっと困っていた。本当に申し訳ない。
このクリニックは片頭痛の治療と脂質異常の治療で通っていたから、医療センターの腎内の先生から脳外のT先生への依頼は、定期的な血液検査でのフォローと血圧のコントロールだけだった。
私が新たに病院の開拓をするのが面倒だったのと、血圧の薬もらうだけならと軽く考えていたのが良くなかった。領域外の先生に迷惑をかけてしまった。
「ぼくが先方から依頼されてるのは、定期的な血液検査だけど、医療センターのS先生がまだいらっしゃるかわからないし、それでもいいなら紹介状は書きますよ」
春にやった血液検査の結果は異常無しだった。診てないのに紹介状の依頼というのは、なかなかに失礼なことをしている自覚があった。
先生の顔には「なんて書けばいいんだ」という言葉が浮かんでいるように見え、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
CTのデータを持ってくる話をし、そしてお会計と2週間後の受診でもらう予定だった薬を受け取って帰った。
その日の夜は一人反省会で凹んで寝た。
翌日の夕方。手配したCTのデータを手にクリニックに行った。
データを見る時間も含めて、書類受け取りは後日だろうと思っていたら、すぐに手渡された。
封筒の中にCD-ROMが入ってる。
時間的にそのまま入れたんだろうなぁ。
受付で受け取り、支払いを聞くと書類料は発生しなかった。
紹介状とCTを揃え、医療センターの腎臓内科に予約の電話をした。
特に緊急性はないし、どうせとれても11月末か12月頭だろうとタカを括っていたら、その週の朝一で予約が取れた。
なお、CTのデータは封印などはされていなかったので、脳外のクリニックに持っていく前に中身を丸っとコピーしておいたのは言うまでもない。
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