母、慕情
シキウタヨシ
記
六十やそこらで時の止まりたるような母御も喜寿迎えたる
デパートで贖う花より野に咲きし花差し出さば娘のよう笑む母
そのときは山桜のもとに埋めよしと 茶碗洗いつ母は語れり
しわもしみも歳のわりにはなき母もだんだん階段登るが苦になる
三年前一度生死を彷徨いけり 爆弾抱えつ今日も母生く
従兄弟から電話のありし時にだけ郷土訛りで母笑みつおり
かたくなな父をけろりと支えつつ愚痴は吐くまじ母の生きざま
/了
母、慕情 シキウタヨシ @skutys
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